【お仕事服 大百科】看護師の仕事服ってどんなウェア?

看護師の仕事服

病院やクリニックなどの機関で、患者に寄り添いケア・サポートをする職業が看護師です。
看護師といえば、ひと昔前まではシンプルな白いワンピースを着ているイメージがありましたが、現代では多種多様なウェアが用意されており、選択肢もさまざまです。
今回は、看護師の仕事服について解説します。

看護師の仕事内容

看護師 仕事風景
看護師は、各種医療機関や、介護施設、保育所など、さまざまな施設において患者のケア・サポートや、医師の補助をおこなう仕事です。
具体的には、血圧などの測定や、注射、採血、点滴、動作の介助など、さまざまな業務があり、多岐にわたる作業を担当します。
一日を通してアクティブに動き回ることも多いため、毎日のように着用する仕事着にはさまざまな要素が求められます。

看護師の仕事服にはどんな種類がある?

看護師の仕事服には、以下のような製品があります。

ケーシー

「ケーシー」とは、立ち襟がついていて肩でボタンを止めるタイプのウェアです。首元までカバーするため、中に着るインナーを選びません。
もともと理髪師が着用していたこともあり、動きやすく作業時の邪魔になりづらい構造のウェアとなっています。
ちなみに「ケーシー」という名前は、アメリカの医療ドラマの主人公「ベン・ケーシー」が着用していたことに由来するそうです。
ケーシー

スクラブ

近年、人気が高まってきているタイプのウェアが「スクラブ」です。
いわゆる医療従事者的な白衣ではなく、Vネックになっており、一般的なTシャツに近い造形になっています。カラーリングにネイビーやレッドなどを採用しているモデルも多いことから、カジュアルな印象を与えます。
汚れたものをゴシゴシと洗う「scrub」という言葉から由来しており、その名のとおり頑丈な素材でできています。
動きやすいうえに洗濯後も乾きやすいため、毎日のように着用するユニフォームとしては適しています。
価格も安価であり、導入しやすいこともメリットです。
スクラブ

ジャケット

前開きになっているタイプのウェアです。
誠実でフォーマルな印象を与えるため、信頼感や清潔感を与えたい場合に選ぶと良いでしょう。

ナースウェア

下部がスカートになっているワンピースタイプは、女性らしい柔らかさを感じさせます。
古くはナイチンゲールが着用していたことから、看護師業を象徴させるような形状のタイプと言えるかもしれません。
医療業界のほかにも、エステティシャンなどのような職種の方々が着用しています。
ナース服

看護師の仕事服の歴史とは?

次に、看護師の仕事着の歴史について説明します。

世界的な歴史

昔々、中世においては宗教業界、修道女が病人の看護をしていました。当時の看護婦の地位は低く、召使いのような扱いであったとされています。
1800年代から1900年代において看護婦として名を馳せたナイチンゲールは、クリミア戦争に従軍した後、看護師の窮状を見かねて国に衛生改革を訴えました。宗教の文脈からは外れた観点から看護学校を設立して、いかに看護が専門的職種であるかを認知させたのです。
看護師界のアイコン的な人物となったナイチンゲールは、丈が長い長袖のワンピースの上に白いエプロンを付け、帽子をかぶっていました。その影響もあってか、看護師さんは長い時代にわたってワンピースのような衣服を着用してきました。
パンツスタイルなど、さまざまな選択肢が増えた現代の看護服においても、ナイチンゲールの服装は、看護師という職業を表す象徴的なイメージとなっています。

日本の歴史

日本においても、ナイチンゲールの影響を受けて看護婦を養成するための学校が始まりました。
1885年に始まった看護婦養成所では、ナイチンゲールの影響を受けて長いスカート・エプロンという「洋装」で授業がおこなわれていたようです。
そして戦後には「保健衛生法・環境衛生法」が制定され、白衣の着用が義務付けられることになります。これを機に、綿100%のワンピースタイプの白衣が全国的に普及したそうです。
1970年頃よりパンツスタイルの白衣も着用されるようになり、現在ではどちらかというとパンツスタイルを選ぶ人の方が増加しています。

看護師の仕事服の必須条件とは?

看護師が着用するウェアは、以下のような点に注意して選ぶ必要があります。

指定のアイテムや色があるか確認する

勤務先により、着用するウェアのタイプや色が指定されていることもあります。病院に確認して選ぶようにしましょう。
ジャケットタイプ指定であったり、ワンピースタイプ指定であったりする場合があります。

ストレッチ性や速乾性などの機能

看護師は、さまざまな動作をすることの多い仕事です。作業を邪魔せず、伸縮性の高いウェアが適しています。
また、患者のケアにより濡れてしまったり、汗をかいてしまったりすることも多いため、速乾性のある素材が使われているものも良いでしょう。
抗菌加工や防汚加工など、衛生面での機能も重要な要素です。

イージーケアな素材

ユニフォームとして毎日着用するものですから、アイロンがけや洗濯が容易におこなえるウェアであればなお良いでしょう。
シワがつきにくいイージーケア素材など、日々の取り回しが楽になる素材の製品を選びましょう。
医療用スクラブ

看護師の仕事服の雑学

最後に、看護師の仕事服においての雑学を紹介します。

ナースキャップはなぜ見なくなった?

かつて、看護師を象徴するようなアイテムであったナースキャップですが、最近は見る機会も少なくなりました。
近年、ナースキャップは多くの医療施設で廃止されています。
その理由としては、意外と不衛生であったり、頭から外れやすかったり、増加中である男性看護師にはあまり似合わない、といったことが挙げられるそうです。

看護業界の仕事服は、なぜ白いウェアが多い?

看護業界、ひいては医療業界では、白衣のように白を基調としたウェアが多く着用されてきました。
汚れがすぐ目に付くという理由のほか、白という色の持つ「清潔感」や「信頼感」というイメージを打ち出していくためです。
しかしながら昨今は、この白色に対して「無機質さ」や「冷たさ」をを感じるという意見も散見されるようになり、近年は色の付いた暖かみのあるウェアも徐々に採用されて来るようになりました。
看護師さんの作業風景

看護師のウェアは多種多様 着用環境に合わせた服を選択しよう

今回は、看護師の仕事服について解説しました。
看護師は、1日を通してさまざまな業務があるため、たいへんハードな仕事です。したがって、仕事着には動作性や清潔感など、さまざまな要素が求められます。
勤務先や仕事内容に合ったウェアを着用して、快適に業務をおこないましょう。

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