空調ウェアにシミができた 汚れ別シミ抜き攻略法

空調服の汚れシミ

空調ウェアの汚れとシミについて

空調ウェアに付いたシミを取るには、その構造をよく知ることが大事です。「シミ」とは、コーヒーや血などの「汚れ」が垢や皮脂、紫外線、他の化学物質と結合することによって、服の繊維に付いてしまった状態のことを指します。そして、洗濯したくらいでは取れないものがほとんどです。このように、汚れがさらに化学反応によって進んだものであり、汚れとは違うということを意識していることが大事です。

食べ物シミの構造

その中でも頑固で取りづらいものと言えば、食べ物が原因となっている染みです。食べ物は一つの化学物質ではなく、複数の物質によってできているので、染みを作る原因である汚れもいろいろな性質を持っています。それが服に付くことで、多重構造を持つ染みになります。飲食物が付き、染みとなると、生地に近い部分には水溶性の汚れが付着します。これは色素を持つ部分で、タンニンなどの物質が多く、コーヒーやお茶などもこれに相当します。その水溶性を覆うように、油溶性の物質が層を作っています。食品に含まれる油分であることもありますし、着ている人の皮膚から分泌される皮脂ということもあります。
このように、食べ物が原因の染みは、水溶性の汚れを油溶性の物質がコーティングするような形で構造を作っています。表面の油溶性物質のコーティングが内部の色素をいわば保護していますので、水でゆすいだりこすったりするくらいではなかなか落ちないのです。
食べ物汚れ

シミがついたら直ぐ対応

多くの染みは、外側に油溶性の汚れが付いてしまうことで、より頑固になります。そこで、皮脂などの油分が付かないうちに、早めに対応することが肝心なのです。水溶性の汚れだけであれば落としやすいので、家庭の洗濯でも十分落とせる可能性があります。一方で、油汚れが付いてしまった場合は普通の洗濯では取れないこともありますので、クリーニング店でドライクリーニングをしてもらうのがベストです。クリーニング店に出す時には、何が付いてしまったのかを店員さんに説明するようにしましょう。そうすることで、適切な方法でクリーニングしてくれます。水溶性の汚れと油溶性の汚れとではクリーニングの手法が違いますので、この説明はとても大事です。
汚れたらすぐに対処

古くなったシミは・・・

汚れが付いてすぐの場合は、油溶性の汚れによるコーティングができていませんし、繊維の奥の方まで染み込んでいないものです。しかし、時間が経つと汚れがどんどん繊維の奥や内部にまで染みてしまいます。そうなると、その汚れは簡単には取れません。一か月以上時間が経ってしまうと、今度は繊維自体にも影響を与えるようになります。繊維が傷んで変色してしまうのです。そうなると、汚れを取るという作業だけでは元通りにキレイにはなりません。繊維自体の色が変わってしまっているからです。
こうしたケースでは、漂白剤を使ったり熱を加えたりして、変色した色素を中和させる工程が必要になってきます。慎重に作業をしなければなりませんし、元の色を取り戻せるように調整するには、かなり高い技術が必要となります。こうしたことから、古くなった染みは一般的なクリーニングでは落とすことができなくなります。染み抜きを専門に行う業者に依頼するしか方法がありません。しかも、素材や服の種類によって染み抜きの技術は異なるので、注意が必要です。

染み抜きはふき取るではなく叩き出すがコツ!

服に飲み物をこぼしてしまったり、インクを付けてしまったりした場合にやりがちなのが、ティッシュやハンカチに水を付けてゴシゴシとこするという行為です。確かに、この方法でもある程度は汚れが目立たなくなります。しかし、完全に染みを落とすことはできませんし、逆に範囲を広げてしまうことが多いです。生地の性質によっては、ゴシゴシと強くこすることでダメージを受けてしまって、乾いた時にその部分だけテカリが生じてしまうということもあります。
そのため、染み抜きをする時にはこするのではなく、叩き出すという手段が基本となります。服に付いた染みを叩いてそこから追い出し、他の汚れてもよい布に移すというイメージで行うのです。この方法であれば、染みが広がることなく抜けていきます。また、断然こするよりも繊維へのダメージが少ないので、服を大切に守ることにもつながります。
汚れは叩く

染み別の対処方法

油性の染みの抜き対処法

バターや揚げ物、口紅などの油分が多いものは、油性汚れとして対処します。油性汚れを水で落とそうと思っても、水と油は混じり合うことがありませんので、なかなか落とせません。そこで、油性汚れにはアルコールやベンジンなど、油分を分解する作用を持った溶剤を使うのが効果的です。
汚れを移すためのハンカチを用意して、その上に汚れている箇所を載せるようにして服を置きます。その際、油性汚れが付いている側が直接ハンカチに付くようにしましょう。その状態で、薬剤を付けてトントンと叩いていきます。そうすると、汚れがハンカチに移っていきますので、綺麗になるまで続けます。
油汚れ

水性の染みの対処法

水性汚れの場合は、洗剤を使います。いわゆるオシャレ着用の洗剤を使った方が良く、だいたい100㏄の水に2㏄の洗剤を混ぜるくらいの分量で構いません。やり方は、油性汚れの染み抜きと同じです。なかなか水性汚れが落ちない時は、液体の酸素系漂白剤を原液のまま付けて、叩くこともできます。この場合は、必ず最初の洗剤で使ったハンカチとは違うもので行いましょう。最後は、別のハンカチに水を含ませ、叩いて洗剤もしくは漂白剤を落とします。
水汚れ

汚れ別の対処方法

汚れの種類によって、適切な落とし方が違います。よくある落とし方を覚えておくと便利です。洗濯の際は、空調服についているファンとバッテリーを忘れずに外してから行いましょう。
汚れ別の対処方法

醤油やソースのシミ汚れ

醤油やソースは水性汚れとなります。そのため、洗剤を使って上記の落とし方を参考にして落とします。染みの部分を叩き洗いした後は、ぬるま湯でもみ洗いをして洗剤を落とします。最後に、普通に洗濯機にかけて洗濯すればきれいに仕上がります。

ミートソースや焼肉のタレ

ミートソースや焼肉のタレはほとんどの場合、水分だけでなく油分も多く含まれています。そのため、まずは油性の汚れを落とします。これは、上記の油性の汚れの落とし方を用います。その後、水性汚れの落とし方を使います。両方のやり方をし終えたら、染みが付いていた部分をぬるま湯の中に浸けてもみ洗いをします。最後に、他の洗濯物と一緒で構いませんので、洗濯機で洗濯します。

油汚れ

基本的には、上記の油性の汚れを落とすやり方で落とせます。ただし、範囲が広い時はハンカチに当てて叩いて汚れを移すというのが難しいことがあります。その場合は、アルコールなどを汚れの部分全体にかけて、タオルなどの大きな布を使って染み抜きをすると、効率よくできます。

ボールペンや油性ペン

ボールペンも油性ペンのインクも油性の汚れですので、上記のベンジンやアルコールを使った落とし方できれいにすることができます。汚れた部分にアルコールなどを染み込ませて、叩いてキレイにします。その後、洗剤を使って汚れと周辺を叩きます。そして、ぬるま湯で軽くもむようにして、汚れの部分を洗っていきます。最後に、普段通り、洗濯機で洗えばキレイに仕上がります。