どんな機能の空調服をお探しですか?空調服機能図鑑

空調服機能図

空調服のデザインは近年大いに進歩しています。発売開始当初は長袖タイプのみで、デザインもかなり武骨なものでした。とはいえ、最近ではファンとバッテリー、各パーツの素材に関する技術が大幅に向上したことで、より多彩なデザインが導入されています。また、搭載されているアイテム数が大幅に増えたことで、購入する側もいろいろな選択肢を持つことができるようになりました。ここでは、ファンやバッテリー以外の便利な機能についてまとめてみましたので、購入を検討する際の参考にしていただければ幸いです。

空調服の機能ご紹介

背裏メッシュ機能(風気路メッシュ)

ファンから送られた空気をしっかりと循環させるためには、服の内部に風の通り道を確保する必要があります。普通の素材では汗で肌に張り付いてしまい、涼しい風が全体に行き渡りません。そこで、背嚢メッシュ機能を採用することにより、風気路をしっかりと確保して服の内部を快適な状態に保つことができています。

左胸や左袖のペン差し

作業の途中でメモをしたりマークを付けたりする際にペンが1本あると大変便利です。そこで、空中服の左胸部分や左袖部分にペンホルダーを搭載しました。ホルダー部分はゆったりとした大きめ設計になっているので、太めのペンやマジックなどを作業で使いたい人にとってもこれはかなり有用な装備と言えるでしょう。

肩パット付

重量のある荷物を肩に載せて運んだ際にバランスを崩して首を痛めてしまったり、建材などが肩に食い込んで怪我をしてしまったりといったトラブルは少なくありません。そうした事故を避けるため、衝撃吸収材を肩パッドとして取り付けることで安全な作業をサポートしています。

腕の上げ下げをスムーズにトリカット機能

脇の下部分では複数の生地を重ねて縫製するトリカット機能を採用しています。この立体的なデザインにより、作業服の着脱が容易になります。また、腕を上げ下げした時に突っ張ったり引っかかったりする感じがなく、スムーズに動かすことができるのです。

袖が取り外し可能なファスナー付きタイプ

長袖タイプは腕先まで涼しくできる一方、細かい作業をするときには膨らんだ生地がやや邪魔になるというデメリットがあります。そこで、ファスナーによる袖の着脱機能を搭載したモデルが登場しました。これにより、作業の内容に合わせて長袖タイプとベストタイプの切り替えができます。もちろん、着脱によって冷却性能が低下する心配はありません。

逆玉縁ポケット(お腹部分のポケット)

お腹部分にあるポケットには、中にあるものが簡単に落ちないよう逆玉縁というデザインが採用されています。これはターンポケットとも呼ばれ、取り出し口部分へ被せるようにして厚手の蓋が取り付けられています。ですから、何かの拍子に落ちてしまうという心配がほぼありません。

ケーブルホール付き機能とバッテリー収納ポケット

バッテリーとファンを繋ぐことができるよう服の内部にケーブルを通すためのホールが用意されています。また、作業で大きく動いてもバッテリーが落下しないよう、バッテリーのサイズにぴったりと合わせた専用の収納ポケットも準備されているので安心です。

裾部分の総ゴム仕様

裾の部分に隙間があると、涼しい風がすぐに出ていってしまうため体を効率的に冷やすことができません。そこで、裾部分にはすべてゴムでぴったりと締め付けができるようになっています。これにより、ファンから送られてくる風が体全体をしっかりと冷やした後で排出されるようになります。もちろん、強く締め付けることはないので、うっ血してしまう心配はありません。

保冷剤収納メッシュポケット

ファンから送られる風は基本的に外気を取り込んで循環しているため、鉄工所などのように熱い空気が籠っている場所ではあまり涼しさを感じることができないという感想が見られました。そうした需要にこたえるため搭載されたのが保冷剤収納メッシュポケットです。このポケットに小型の保冷剤を入れることで、服の内側で循環する空気を冷やすことができるため、実用性が大きく向上しました。

ファンの墜落落下防止メッシュ

ファンはワンタッチで簡単に取り外しができる一方、ちょっとした衝撃で外れてしまうという悩みがありました。外れた拍子に落下して破損してしまうと、安全確保のため新しいパーツへ交換しなければなりません。そこで考え出されたのが墜落落下防止メッシュです。この機能が追加されたことにより、ファンが破損するリスクが大幅に減りました。

クイックフリーファスナー仕様

作業をしている際に作業服のフードが引っかかってしまい、そのまま首が締まってしまったという事例は少なくありません。そこで、左右に引っ張るだけで簡単にフロントファスナーが開くクイックフリーファスナーを採用しています。これにより、アクシデントで呼吸ができなくなるという事故のリスクを大きく軽減することができるのです。

フルハーネスのランヤードの取り出し口搭載機能

建設現場では、5mを超える高所で作業する人すべてにハーネスの取り付け義務があります。そこで、ランヤードの取り出し口を付けてフルハーネスに対応できるようにしました。これにより、作業する場所に合わせて作業服を着替える必要がないため、スムーズに作業を続けることが可能です。

フルハーネスのフックが掛けられるDカン機能

高所作業では、安全装備であるフルハーネスを使用する必要があります。ハーネスを付けるために快適な空調服を脱がなければいけないという事態を避けるため、新しいモデルでは先述のランヤードと合わせてハーネスのフックを掛けられるよう専用パーツが搭載されています。

夜間の安全を確保できる反射材機能

夜間の作業では視認不足による事故を避けるため、基本的に作業員は反射材の入ったベストを着用する必要があります。とはいえ、暑い中でさらに1枚重ね着するのは面倒でしょう。また、ベストを着ることで外気の取り込み口が塞がれてしまう可能性もあります。そこで、反射材を搭載した空調服が数多く登場しています。

脇や首筋への消臭テープ

服の内側で空気が効率よく循環するよう、首周りはかなりぴったりとしてやや締め付けるようなデザインになっています。そのため、首筋は汗が溜まりやすく、そこから悪臭が発生するというケースが散見されました。この悩みに対処するため、首筋および汗をかきやすい脇の部分に消臭テープが取り付けられています。

ヘルメット等も収納できる大型のフード付き

建設現場や鉄工所などでは基本的にすべての作業員がヘルメットを着用しなければなりません。そこで、撥水加工された大型フード付きの空調服が用意されました。これにより、悪天候になっても雨合羽などに着替える必要がありません。また、すっぽりとヘルメットを覆うことができるので、いつでも快適に作業を行うことが可能です。

まとめ

ファン付きの作業服と聞くと、以前は「涼しいのは良いけれど、実用性に関して考えると一般的な作業服に劣っている」という評価を耳にすることが少なくありませんでした。そうした現場の声や要望に合わせて、便利な新機能を備えたモデルが毎年のように登場しており、一般的な作業服と比較しても有用性に関して遜色のないものに仕上がってきています。新しい作業服の購入を検討しているなら、快適で便利な空調服をぜひ選択肢の1つに含めてください。