企業が取り組むべき熱中症対策の最新事情

熱中症対策に企業が空調服導入

最新の温暖化と熱中症対策事情

温室効果ガスの排出量増大により、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は2014年以降毎年のように平均気温の上昇を報告しています。これにより、世界的な海面の上昇が起こっているだけでなく、熱帯化エリアが拡大することで大規模な災害が頻発するようになっているのです。日本国内においてもこの変化は顕著に観察されており、国内各地で洪水を始めとした激甚災害が報道されています。加えて、気温の上昇による熱中症の被害も広がりを見せています。実際、2012年に搬送された人の数は45,000人余りだったのに対して、2018年には92,000人余りとなり、さらなる増加傾向が見られているのです。

企業が熱中症対策を取り組まなければならない理由

猛暑のビジネスマン
労働者の就業環境を監督する厚生労働省では、近年増加している職場での熱中症対策として、企業や事業者に対し適切な施策を講じることを義務付けています。「職場の熱中症予防対策は万全ですか?」という資料を配布して、8分野・21項目のチェックを行い、改善点を見極めることができるようになっています。また、衛生教育を実施することも企業の義務となっており、これらを適切に実施せずに事故が発生した場合には、事業者としての責任を問われることになるわけです。ですから、すべての企業が真摯な仕方で必要な対策に取り組まなければなりません。
環境省では、厚生労働省と連動して夏季に警戒アラートを発令しており、屋外や換気が良くない場所で就業する際の目安とできるようにしています。こうした情報を常に参照することも、企業経営者や現場責任者に求められる新たなスタンダードとなっているのです。

コロナウィルスに伴うマスク着用で高まる熱中症リスク

マスクが必要な職場環境
コロナウィルスの感染を防ぐため、外出する際にはマスクを着用することが必須となっています。とはいえ、暑い時期にマスクを着用し続けることにはリスクもあります。マスクを着用して呼気が籠ることで、適切に熱を発散することができなくなります。結果として、気分が悪くなり熱中症にかかる可能性が高くなってしまうのです。また、顔が熱い状態に慣れてしまうと、水分が不足していることに気づきにくくなります。この状態も脱水症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

厚生労働省では、夏の時期、外出している場合でも、「3密」と呼ばれる条件を満たしておらず、コロナウィルスへ感染リスクが低い環境にいるなら、適宜マスクを外すことを推奨しています。特に、周囲の人と2m以上の間隔が確保できるのであれば、マスクを着用していないとしても特に問題ありません。また、水分補給を随時行うことで、体温調節がしやすい状態を保つことも大切です。

熱中症の基礎知識

エアコン

人間の体には体温調節機能があり、体温が急激に上がると発汗による気化熱で体温を下げようとします。この調節機能がふさわしく働かなくなってしまい、体温が上がり続けてしまうと、めまいやけいれんが起こったり、失神したりしてしまうのです。この状態が熱中症です。この症状のまま放置されると、腎機能や肝機能などが徐々に低下し、やがて死に至る恐れがあります。

体内の水分量が少なくなっていると、発汗することができず、体温の調節ができなくなってしまいます。そのため、脳は信号を出して「喉の渇き」を感じさせ、水分を補給させようとするのです。ただし、高齢者の場合、脳から送られる信号が弱いため、体内の水分が枯渇しているにも関わらず、気が付かないという事態が起こります。ですから、喉が渇いていなくて、一定時間ごとに水分補給をすることは非常に重要です。加えて、エアコンなどの空調設備を活用して、体の表面温度を下げることも大切です。

労働環境での注意点

屋外で働く人の場合、空調の効いたエリアで働くことはほぼできません。建設現場などになると、直射日光にさらされる環境で作業を行うことになります。この場合、常に暑さを感じているため、体内の温度調整が上手くいっていない場合でも、その変化に気づきにくいということがあるのです。ですから、現場を監督する人は、給水および休憩の時間を明確に定めて、従業員すべてにそのルールを徹底する必要があります。また、仕事へ従事する前に体調が優れない人には申告してもらうことも肝要です。こうした措置を講じることで、熱中症による事故を未然に防ぐことができるでしょう。

「定期的な休憩を取ると業務の効率が落ちてしまう」と考える人もいます。とはいえ、いったん事故が起きてしまうと、業務が停止するだけでなく、管理者の責任問題となって、会社や事業所に対する行政処分が下される可能性もあります。ですから、労働環境に注意を払うことは賢明です。

熱中症が疑われる場合の対処法

熱中症の疑いがある場合の対処方法
患者の意識が有るかどうかで対処方法は大きく変化します。意識を失ってしまっている場合には、すぐに救急車を呼んで病院へ搬送してもらいましょう。到着を待っている間、ひたすら体を冷やすことを徹底します。この対応の有無で命を救うことにつながることを意識しておきましょう。

意識がはっきりしている場合は、すぐに冷房が効いた場所など涼しいエリアへ移動してもらい、リラックスした状態で横になってもらいましょう。首元のボタンを外すなどして、体を締め付けないことも大切です。続いて、電解質を含んだスポーツドリンクを摂取してもらいます。その後、引き続き涼しい場所で休ませて、めまいなどの症状が治まるのを待ちます。吐き気が酷く、飲み物を摂取できない場合には点滴が必要なので、医療機関で診察を受けましょう。この場合も、重症化の恐れがあるので救急車を呼んで構いません。

熱中症対策としての空調服

空調服を着て働くビジネスマン

空調服はファンを内蔵している作業用衣料で、より涼しい外気を取り込むことで体温の調節をサポートするという機能があります。小型バッテリーと接続して使用するため、電源を確保する必要はありません。ですから、作業エリアが制限されるという心配もないわけです。ファンから送られる風によって汗の蒸発が促進されるので、肌表面の温度は一定に保たれます。ですから、熱中症になりにくいという大きなメリットがあるわけです。

空調服に使用されている素材は軽く、通気性のよい生地になっています。ですから、空調服を着用することで疲労が蓄積してしまうというリスクもほぼありません。ファンの性能は近年著しく向上しているので、建設現場など屋外作業に従事する人たちからは高い評価を獲得しています。

空調服を導入する企業のメリット

空調服を導入することで就業者の就業環境は大きく改善されます。過酷な環境の下で作業をしていると、従業員の不満が溜まりやすくなるでしょう。特に、暑さの厳しい中で長時間働くのは容易ではありません。そうした不満がSNSなどで広まってしまうと、企業としての評判やブランディングにも悪影響が及びます。一方、空調服を導入して快適に働くことができれば、作業員の作業効率が向上するだけでなく、仕事に対する姿勢も当然ながら向上します。これが相乗効果となって、企業としての評判および業績もおのずと良くなるでしょう。ですから、作業員に対して空調服を支給することには長期的に見て大きなメリットがあると言えるわけです。

作業員におすすめの空調服

空調風神服BK6177

空調風神服BK6177

帯電防止機能のある作業服タイプの空調風神服です。素材は防風性・耐洗濯性にも優れて混紡素材を採用しハードな現場でも大丈夫。企業さまの作業用ユニフォームとして人気のモデルです。

まとめ

深刻な温暖化やコロナウィルスの感染拡大などにより、夏季の熱中症リスクはかつてないほど高くなっています。ですから、経営者や雇用主は原因や背景をよく理解したうえで、空調服の導入など具体的な対策を講じていきましょう。