2021年はオリンピックイヤー! 五輪からユニフォームの存在意義を考えてみる
2021年はオリンピックイヤー! 五輪からユニフォームの存在意義を考えてみる
2021年の7月、前年度から繰り越し延期された東京オリンピックがいよいよ開催されます。
競技の盛り上がりが期待されるのはもちろんのことですが、各国の代表選手が着こなす個性的なユニフォームも注目の的になることは間違いないでしょう。
ユニフォームにはさまざまな効果があり、明確な意図を持って着用されることの多いウェアです。
今回は、オリンピックという題材を用いて、ユニフォーム(制服)の存在意義を紐解いていきます。
ユニフォーム(制服)とは、いったい何か?
学校や職場、スポーツチームなど、日常的にユニフォーム(制服)を着用したり、目にしたりする機会は少なくありません。
人はなぜユニフォームを着用するのでしょうか?
まずはじめに、その存在意義から、着用することでもたらす心理的効果を解説します。
ユニフォーム(制服)の存在意義
ユニフォームや制服は、特定の組織やチームなどの構成員が着用する衣服です。
お店のスタッフや所属社員など、組織の一員であることを視覚的に判別しやすくする効果があります。
すなわち、ユニフォームの存在意義のひとつは「着用者が組織の一員であることを表す」ことだといえるでしょう。
また、ユニフォームは動作性や作業性を高めるためにも有効です。
とくに、業務用途の作業着やスポーツのユニフォームなどは、着用者の目的動作に合わせて動きやすい構造になっていたり、身体を保護したりする効果などが備わっています。
したがって「着用者の快適性や安全性を高めるためのギア」というのも、ユニフォームの持つ存在意義のひとつなのです。
ユニフォーム(制服)がもたらす心理的効果
ユニフォームは、組織の構成員を視覚的に識別する役割や、快適性・安全性を保つことのほかに、着用者の内的な面を変化させる効果も持っています。
たとえば、ユニフォームを着用することで責任感が生まれ、規範に合った行動を心がけるようになったり、同じユニフォームを着た人たちと協調しようと考えたりする心理効果があります。
チームとして一体感が生まれることで生産性も向上し、高いパフォーマンスをあげることができるのです。
また、普段着からユニフォームに着替えることで、仕事を始める気持ちを「オン」にする効果もあります。仕事モードをオン・オフに切り替えるためのスイッチとなるアイテムでもあるのです。
ユニフォームにはこのような心理的効果があるため、多くの企業や組織、学校などで用いられているのだといえます。
オリンピックでは「赤色」のユニフォームを採用する国が強い?
人間の脳は、色を見ると無意識下で特定のイメージを感じるようになっています。
たとえば、人間は赤い色を見ると「情熱的」「活動的」「攻撃的」などのエネルギッシュなイメージが脳に浮かぶため、無意識のうちに活力がみなぎってくるという心理的効果があるとされています。
中国やロシアがスポーツの国際試合で強いことの理由として「赤い色のユニフォームを着用しているから、色の心理効果で身体能力が増幅されている」という説もあるほどです。
また一般的に、格闘技のタイトルマッチでは赤コーナー側にタイトル保持者、青コーナー側にはチャレンジャーが付くという慣習があります。チャレンジャーは向かいの赤いコーナーを見て挑戦心や闘争心が湧き、チャンピオン側は逆に青コーナーを視界に入れることで落ち着くことができるため、試合が盛り上がりやすくなるからだそうです。
色の心理効果は赤色だけが持つのではなく、そのほかの色を見たときにも人間は特定の印象を受けるようになっています。
したがって、組織にユニフォーム・制服を導入する際には、以下のようなイメージを意識してカラーを決めることで、効果的にブランディングをおこなうことができます。
青
青は誠実さや実直さなど、クリーンなイメージを感じる色です。
フォーマルな雰囲気があるため、ビジネスにおいてよく活用される色です。
緑
緑は樹木などの自然を感じさせることもあり、穏やかな気持ちになる色です。心が落ち着いたり、リラックスしたりする効果があります。
黄色
黄色は元気でパワフルなイメージを持ちます。
活動的で明るい雰囲気を出したい場合に使用されることの多い色です。
紫
紫には高貴さや優雅さ、またミステリアスなイメージがあり、神秘的な雰囲気を演出する際にはピッタリの色です。
白
白という色は、清潔感や神聖さ、無垢なイメージを感じさせる効果があります。
汚れのない、清廉潔白な印象を受けるカラーです。
黒
黒は無骨でカッコよく、男らしい雰囲気を持つ色です。
そのため男性化粧品のパッケージなどによく用いられています。
オリンピックの“裏方作業”に従事する人が着るユニフォーム
オリンピックは世界的なイベントのため、運営には多くの人が関わることになります。
表舞台にはもちろんのこと、舞台裏を支える屋台骨として、以下のような職業の方々が存在します。これらの仕事にももちろん、ユニフォームが存在します。
それぞれどのようなユニフォームを着用しているのか、解説します。
警備業
警備業は、周辺の安心や安全を守るため、監視や誘導をおこなう仕事です。屋内施設や屋外、または機械に対して警備します。オリンピックにも多くの警備員が派遣される可能性があります。
警備員のユニフォームは、その仕事上ある程度の威厳が求められるため、「制帽」と呼ばれる帽子を被ることがあります。この帽子が犯罪などの抑止力になります。また勤務する場所によっては安全靴を履き、夜間勤務の場合には反射材が付いたウェアを着ることもあります。
建物管理業
建物管理業とは、具体的には建物の清掃・点検・修繕などのメンテナンス作業をおこなう業種のことです。建物を定期的に見回ったり、掃除をしたり、保守管理にかかわる作業に従事します。
オリンピックに使用するスタジアムや、選手村のホテルなどにも多数配属される可能性があります。
建物管理業は定期的に出歩くことも多いため、ユニフォームにはポケットの付いた利便性の高いものや、軽量で機動性の高いものが適しています。
また、電気まわりの作業もおこなうことから、帯電防止機能が備わったウェアも好まれます。
清掃業
清掃業は、屋内・屋外でさまざまな部位や器具を掃除したり、ゴミを回収したりする仕事です。
活動量の多い業務であるため、ユニフォームには動きやすさが求められます。また衛生的で汚れに強く、クリーンなイメージであることも重要です。
頻繁に洗濯する必要があるので、毎日のように洗濯機に入れてもほつれないような、頑丈な生地を使用したウェアが使われることが多いようです。
ユニフォームにはさまざまな効果がある!目的に合わせたユニフォームを着用しよう
今回は、開催が迫ったオリンピックを題材にして、ユニフォーム(制服)というものの存在意義について考えました。
ユニフォームにはさまざまな着用効果があるため、組織のパフォーマンスを向上させるには欠かせないアイテムです。
使用環境に合わせて適切なユニフォームを選び、意識や生産性を向上させましょう。