介護・倉庫業界に革命がアシストスーツとは?

最近、よくテレビやラジオ、イベント会場などで目にする機会が多くなってきたアシストスーツですが、まだまだあまり深く知られていないのが現状です。
恐らくは導入している方や企業がまだまだ少ないので、広く認知されていないのだと思います。
ただ、今後10年以内を見据えた時に日本は現状よりも高齢化が進み、労働人口も減少しアシストスーツについても広く認知されていくアイテムの一つになります。
そこで現状のアシストスーツ事情についてまとめてみました。
アシストスーツとはどんなものなのか?
アシストスーツは現場での荷物の持ち上げ、持ち下げの際にかかる、作業者の腰や膝、肘等の身体的な負担を軽減する目的で開発された商品の総称になります。
パワードスーツやパワードアシストスーツ、サポートスーツ、アシストジャケット、
マッスルスーツなど、各社各メーカーそれぞれ呼称は様々です。
ゴムの伸縮性を利用して身体の負担を軽減するタイプの物や、電気やバッテリー等の電力を
使って身体の負担を軽減するタイプの物などたくさんの種類がありますが、それら全て引っくるめての総称の事をアシストスーツと呼んでいます。
アシストスーツを着用するメリットとは?
アシストスーツを導入する際のメリットをまとめると3つのメリットがあります。
①疲労(疲れ)を軽減する労災の防止効果
②1人あたりの作業効率が上がり、生産効率が向上する事での利益拡大
③人手不足(人材不足)による体力差をカバー
主に上記の3つのメリットが考えられます。各項目の具体的な効果についてご説明させていただきます。
①疲労(疲れ)を軽減する労災の防止効果
荷物を持ち上げたり下ろしたりする動作は、人間の腰や膝、腕、手首などの関節にかなりの負担をかけております。
その為にギックリ腰になってしまったり、膝を痛めてしまったりして、怪我をしてしまうことがあります。
そして日本が抱える問題でもある高齢化が進み、年々働く年代が高くなり年齢を重ねると、どうしても筋肉にも衰えがでてきてしまいます。若い頃は軽々と持てた荷物も困難になるケースが多々でてきます。
荷物の持ち運び等の場合、作業自体はすごくシンプルで単純な動作なのですが、長時間つづけると負担が大きく疲労が溜まる事があります。疲労が溜まってくると、思考力の低下で、大きな怪我につながる危険性も増えてしまいます。そこでアシストスーツを着用すると関節や筋肉の負担が減るので、怪我を減らすことが可能になり大きな怪我による危険性を未然に防ぐことができます。
②1人あたりの作業効率が上がる
アシストスーツを着用すると疲労感がなくなるので作業を効率的に行うことができ、今まで以上に時間を短縮して終わらせることができます。作業の内容や作業工程にもよるのですが、アシストスーツを着用することで約20%の時間短縮ができたという事例もあります。20%の時間短縮ができたということは、同じ時間を働くと仮定して普段の1.2倍の利益を得ることになります。アシストスーツを着用する事で作業効率が上がり、会社の利益拡大につながる可能性を秘めています。
③人手不足(人材不足)による体力差をカバー
女性や男性など性別の違いによる体力差はもちろんありますが、男性同士でも若い方や年配の方、個々での体力差や筋力差はどうしも発生してしまいます。アシストスーツを着用する事で、100%のカバーとまではできないものの、身体的な体力差を少なくすることができるので作業に対するハードルを低くすることが可能になります。
女性活躍社会と言われる昨今で女性がアシストスーツを着用することで、作業のハードルが下がり男性と同じ様な作業が女性でもできれば人手不足の穴埋めにもなます。
アシストスーツのデメリットは?
アシストスーツにはメリットがある反面、デメリットもあります。アシストスーツのデメリットについてもご案内させていただきます。
①コストがかかる
②歩行しずらい
③着脱するのが面倒
デメリットについては主に上記3つのデメリットが考えられます。
各デメリットについても詳しくご案内させていただきます。
①コストが掛かる
アシストスーツの種類にもよるので費用感は様々ですが、ゴムで伸縮するタイプで3万円代~15万円台前後になります。
電力を使ってのアシストスーツの場合は50~150万円台までの費用感はかかります。さらに電力を使ってのアシストスーツの場合だと、維持費やメンテナンスの為のランニングコストも発生します。決して安い金額ではないので導入時には多少の費用はかかります。
②歩行しずらい
荷物を持ち上げたり置いたりする際の腰や膝、腕や手首等の負担を和らげる一方で歩行がしにくいというご意見もあります。
また電力を使ってのアシストスーツの場合は、装着した際にそれなりの幅がありますので狭い所でのご使用に支障がでる場合もございます。狭い場所でのご使用や荷物を持ち運ぶ以外に歩き回る様な事が多い方には、作業性が低下することが問題として挙げられることも考えられますので、導入時にはご用途等を充分にご検討をいただく必要があります。
③着脱するのが面倒
服の上から更に羽織ったり袖を通したり、ベルトを留め具で固定したりする手間がかかります。慣れると一人で着用は可能ですが慣れない内は着用に時間もかかります。事務仕事などで、アシストスーツが必要のない場合に脱ぐ手間も出てきます。
アシストスーツが役立つ職種とは?
基本的には荷物を持ち上げたり、置いたりする様な作業環境だとどの職種でも役立ちますが、その中でも特に、アシストスーツの効力を発揮できる職種をご紹介させていただきます。
①農業(農家様)
日本の農業は若者離れにより高齢化が進んでいます。
農作物を収穫する際に荷物を持ち上げたりする際にギックリ腰になってしまい、腰に爆弾を抱えている農家の方は少なくないので農業には大変人気になってます。
②運送業・倉庫業
1日中立ち仕事でかつ荷物の持ち運びの多い、運送業や倉庫業にはアシストスーツは最も適している業種になります。日々の疲労感が蓄積すると膝や肘等を痛める原因となり、そのせいで荷物の出し入れの作業が遅れることで生産効率が下がる様な事もありますので、生産性を上げるという点でもアシストスーツは優れた効果を発揮します。
③建設業
建設現場では、土嚢を運んだり足場を担ぎ上げたりするなど労力を要する動作においてアシストスーツは優れた効果を発揮します。
④製造業(工場内でのライン作業)
ライン作業をされる方は、前かがみになって作業をするケースがほとんどです。前かがみの状態で長時間の作業をすると、ボディーブローのようにじわじわと腰に負担がかかり、腰痛等の原因になりますので腰痛予防という観点でもアシストスーツは効果的です。
⑤介護(介護の際のサポート)
介護する際に利用者様を支えて椅子に移動させたり、入浴介護の際も浴槽に移動させたりする際は膝や腕に大きな負担がかかります。その負担を軽減できるので介護に携わっている方にも人気が高いアイテムになってます。
アシストスーツはこれからの商品
アシストスーツはまだまだ認知されている方も少なく実際に使われている方もあまり多くありません。今までの働き方であれば「努力して頑張れ」が通ってた時代でしたが、それではダメということを社会が気づき始めています。実際に2020年には、アシストスーツを導入するのに厚生労働省が働き方改革の1つとして助成金を出して、アシストスーツを積極的に広めております。おそらく今後、働き方が変わるにつれてアシストスーツもさらなる進化やさらなる商品がたくさん出てくるかと思われます。今後アシストスーツは、注目のアイテムということは間違いないので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
丸十服装でも様々なアシストスーツをお取り扱いしております。ご興味がある方はお気軽にご相談下さい。