フルハーネス着用義務化!! 労働安全法の改正でどう変わった?空調服・空調風神服は着用できる?(2023/06/23更新)

フルハーネス着用の義務化

2018年に労働安全衛生法が改正され、2019年2月1日から施行されています。

この改正によって高所作業の場合、基本的にフルハーネス型の墜落制止用器具の使用が原則化され、一定以上の高所においては“義務”となりました。

また、フルハーネスを着用しても、空調服や空調風神服を利用することが可能です。

今回は、法律改正後の安全対策の変化点と、フルハーネスの選び方の注意、オススメのフルハーネス可の“ 空調服”“ 空調風神服 ”まで解説していきます。

労働安全法(安衛法)改正! 何がどうなった?

高所作業
高所作業

厚生労働省が発表した統計によれば、日本の転落・墜落事故は年間に約2万件起こっているそうです。(※1)

安全帯の扱い方が原因と考えた政府は、労働安全衛生法の改正に踏み切りました。2019年2月1日から施行されています。

おもな改正点について、要点を絞って説明します。

参考サイト
(※1)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04685.html

「安全帯」の名称が「墜落制止用器具」へ

長く使用されてきた「安全帯」という名称が、「墜落制止用器具」へと変わりました。「今後は墜落を防ぐことを特に意識して作業してほしい」という、厚労省の強い意気込みを感じます。

なお、「法令用語」としての名称変更であるため、今まで慣れ親しんだ “安全帯”という名称を使うことは可能です。

「胴ベルト型(U字つり)」が「墜落制止用器具」として使用不可能に

フルハーネスの使い方
フルハーネスの使い方

改正後は、U字つりタイプの胴ベルトは、墜落制止用器具(旧・安全帯)としての使用が不可能となりました。

U字つり型は、落下を防ぐ機能が備わっていないためです。今後は「ワークポジショニング器具」という位置付けとなり、墜落制止用器具(フルハーネス型or1本つり型胴ベルト)と併用することが必須条件となります。

一方、(1本つり)と呼ばれるタイプの胴ベルト型は、改正後も「墜落制止器具」として認定されています。

TOWA スカイハーネス

より安全に作業するには、フルハーネスがおすすめです。

TOWA スカイハーネス 機能

フルハーネス型が原則化 6.75m以上の現場であれば“義務”に!

墜落制止用器具の使用基準として、以下のような主旨の改正がなされました。

  • 高さが2m以上の高所において、作業床(足場の作業台・機械の点検台など)が設置できない場合には、墜落制止用器具を着用すること
  • 墜落制止用器具は、フルハーネス型を原則とすること
  • 6.75m以上(建設業では5m)の高さにおいては、フルハーネス型が“義務“となる(建設業は5m以上で推奨)
  • 6.75m以下(建設業は5m以下)においては、胴ベルト型も使用可能

上記を一覧すると「フルハーネスが原則となっているのに、なぜ6.75m以下は胴ベルト型も使用可能なの?」と、疑問を持つ方も多いかもしれません。

それは、ある程度の高さがない場所からフルハーネス型を使うと、地面に衝突してしまう可能性があるからです。

地上からの距離があるほどにフルハーネス型は「自由落下」の距離が長くなり、ショックを吸収する役割であるアブソーバーの伸びが大きくなってしまうため、衝突してしまうのです。

以上の理由から、6.75m以下の場合には胴ベルト型も使用可能となっています。

ただし「安全性を高めた胴ベルトのみ使用を認める」となっており、2022年1月2日以降には、従来規格(“安全帯”)の製品は使用できなくなることに注意です。

TOWA スカイハーネスフロントプラス

より安全性をたかめるためには、前後にアタッチメントのある130㎏対応のフルハーネスフロントプラスがおすすめです。

TOWA スカイハーネスフロントプラス 機能

TOWA スカイハーネスフロントプラス 機能

従来の“安全帯”は、猶予期間までは使用可能

フルハーネス交換期限
フルハーネス交換期限

改正以前の法令に基づく、旧来の“安全帯”の使用には猶予期間が設けられており、2022年の1月1日までは、使用可能となります。

2020年1月2日以降には、改正法令後の“墜落制止器具”を使う必要があります。

また2020年の1月1日までは、メーカー側は旧来規格の“安全帯”を販売し続けることができるため、小売店などで購入する際には新規格の“墜落制止器具”と間違えないように注意しましょう。

フルハーネス型の使用には、特別教育を受けなければいけない!

改正後は、フルハーネス型の墜落制止用器具を使用する人を対象に「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」の受講が義務づけられました。

講習するべき対象者

講習を受けるべき対象者は、厚労省のガイドラインによると、
「高さが2m以上の箇所であって、作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止器具のうちフルハーネス型のものを用いてして行う作業に係る業務を行う者」
となっています。(※2)

少しややこしいですが、作業床が用意されている現場でのみ働く場合、もしくはフルハーネス型を使う必要のない現場でのみ働く場合には、講習を受ける必要はありません。

フルハーネス型の使用が予想される人は、特別教育を受講しましょう。

参考サイト
(※2)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212834.html

講習内容

学科と実技の2種類の講習を受ける必要があります。

墜落制止器具、労災、関係法令などの知識に関する学科(4.5時間)と、実際に墜落制止器具の使用法を学ぶ実技(1.5時間)の、合計6時間を要する講習となっています。

また以下の条件を有する人は、講習の一部を省略することができます。

・「フルハーネス型を用いて行う作業に6ヶ月以上の従事経験を有する者」
→半分ほどの講習を省略することができます。

・「銅ベルト型を用いて行う作業に6ヶ月以上従事した経験を有する者」
→1項目(作業に関する知識)を省略できます。

・「ロープ高所作業特別教育受講者or足場の組み立て等特別教育受講者」
→1項目(労働災害の防止に関する知識)を省略できます。

これらの特別教育は、事業者が作業者へ対して行うことになっていますが、建災防(建設業労働災害防止協会)などでも実施されております。

また特別教育を受けることにより、事業者は助成金が支給されます。詳しくは、厚労省のページをご覧ください。

 

フルハーネス型製品の選び方の注意点

フルハーネス装着
フルハーネス装着

フルハーネス型を購入する予定の方へ、製品の選び方についての注意点を解説します。

ハーネスとランヤードは同じメーカーを選ぶ

ハーネスとランヤード(ハーネスに付ける命綱)は、必ず同じメーカー同士で揃えるようにします。

異なるメーカー同士の組み合わせの場合では、安全性能が十分に発揮されない可能性があります。

旧来規格と新規格の製品を合わせて使わない

たとえば、旧来規格(“安全帯”)のハーネスに、新規格(“墜落制止用器具”)のランヤードを組み合わせて使用してはいけません。

落下した際に、安全性能が十分に発揮されない可能性があります。

重量制限をチェック

ハーネスには重量制限があり、装着する人の体重と装備品すべてを合計した重さに耐えられなければいけません。

たとえば、重量制限が90kgのフルハーネスでは、装備品と体重を併せて90kgを超える場合には、使用不可能です。

適切なショックアブソーバを選ぶ

ショックアブソーバとは、落下による衝撃時にベルトが引き裂かれることで落下の衝撃を抑える器具です。

製品によって落下距離が決められており、設定された落下距離を下回らないように、適切な製品を選ぶ必要があります。落下距離は、ランヤードの長さやフックの取り付ける高さにより変化します。

ランヤードの種類について

ランヤードには、アルミ製とスチール製が販売されていて、ショックアブソーバーが第一種と第二種と違いがあります。

それぞれ、シングルとツインのタイプに分かれている為、ご購入前は作業現場の確認が必要です。

TOWA シングル フレックスランヤード(スチールフック)

TOWAから販売されている「フレックスランヤード(スチールフック) 」のシングルタイプです。

TOWA シングルフレックスランヤード(アルミフック)

TOWAから販売されている「フレックスランヤード(アルミフック) 」のシングルタイプです。

TOWA 巻取式ランヤード 単品

シングルタイプやツインタイプ以外にも、高強度と軽量化された巻取式ランヤードが販売されています。

フルハーネス対応の空調服の選び方とは?

ハーネスを付ける必要のある高所の現場では、平常時の現場とは違った注意が必要です。

一瞬の集中力の低下が命取りにつながる可能性もあるため、以下のような特徴を備えた“空調服”“空調風神服”を選びましょう。

UVカット機能

高所作業は日陰が少ないため、紫外線や赤外線をカット機能する機能は必須です。紫外線・赤外線に長時間当たり続けると体力が失われていくため、意識が朦朧として落下してしまう危険性があります。

対策として、チタンコーティングなどの加工が施された製品を選びましょう。

落下時の安全機能

高所作業は、落下の危険性と常に隣り合わせです。落下時の安全性を担保する機能が付いている製品であればベターです。

腰部の落下防止ネットの有無

落下防止ネットがついていない場合には、装備や持ち物、ファンなどが落下してしまうおそれがあります。事故を招かないように、落下防止のネットがついているかを確認しましょう。

空調ステーションで販売しているフルハーネス対応の“空調服”“空調風神服”は、すべての商品がネット付きとなっています。

オススメのフルハーネス対応空調服をご紹介!

最後に、現在市場に出ている“空調服”“空調風神服”のなかから、オススメのフルハーネス対応モデルを紹介します。

空調風神服 G5510

高所作業における必須機能が満載

空調風神服 G5510

本製品は、フックを装着した際に、フックが外側へ向くような設計がされています。そのためフックによるわずらわしさを感じにくく、集中して作業が行えます。

ファンなどの荷物の落下防止をするためのネットも搭載されています。

そのほかにも、夜間の安全性に考慮した反射テープ、裏チタンコーティングによる冷涼感の向上効果・紫外線カット機能など、高所における長時間の作業にピッタリな機能が満載です。

光沢のあるスタイリッシュなポリエステル素材で織られており、上品な印象が得られます。着用時のシルエットも綺麗です。また5種類のカラーから選択できることも魅力です。

空調風神服 KF91400G

安心のクイックフリーファスナー採用モデル

空調風神服 KF91400G

本製品には「クイックフリーファスナー」という、低い負荷で動かせるファスナーが採用されています。落下時にはファスナーが素早く開放されることで、空中でぶら下がった状態でも首元を締め付けないような効果があります。

ファンの落下を防ぐネットも搭載しています。

加えてランヤードの取り出し口には、対流している風を逃しにくい工夫がなされており、ハーネスを装着した状態においても高い快適さがキープできます。

綿100%の素材を使用しているため、高所での溶接作業や、油を扱う作業に最適です。

空調服 74200

遮熱加工により、-3℃の冷涼感を実現

空調服 74200

本製品は生地にチタンコーティング加工を施しています。通常の生地に比べて遮熱性に優れており、体感温度で-3℃以上の効果があります。暑さによる熱中症や、体力の消耗を防ぐことができるのです。

高所作業では日陰があまり望めませんが、本製品にはフードが付いているので、頭部への紫外線や赤外線をカバーすることができます。

またベスト型なので、長袖型や半袖型に比べてスムーズな動作感が得られます。腕周りや肩周りの膨張感がないことにより、見た目もタイトでカジュアルな印象となります。

フルハーネス対応が原則化! 使用環境に適した空調服を選ぼう

今回は、近年改正された労働安全法の内容から、今選ぶべきオススメのフルハーネス対応型 “空調服”“空調風神服”まで解説しました。

2019年2月1日以降は、6.75m以上(建築業以外)の高所で行う作業においては、フルハーネス型の墜落制止用器具が“義務”となり、現場作業での安全性がより追求されることになりました。

高所でのハードな作業に適した“空調服”“空調風神服”を選び、安心・安全な労働環境を実現しましょう。

空調服ステーションでは、フルハーネスに対応した“空調服”“空調風神服”を、特別価格にて多数取り揃えています。

ユニフォーム相談窓口

参考サイト
(※1)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04685.html
(※2)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212834.html