パーツ別の寿命
まずは、パーツ別の寿命について解説します。
ファン
ファンは、一般的に2〜3年の寿命とされています。大切に扱うことで5年ほど持つ場合もあるようですが、基本的には3年ほど経過すると、何かしらの問題が生じやすいため、3年を目安に買い替えの時期といえます。
しかし異音が生じた場合などには故障のおそれがあるため、即時メーカーにご相談のうえ、交換などの対応を取ることをおすすめします。そのままご活用いただくと、事故やトラブルの原因となる可能性があります。
バッテリー
ファン付きウェア(空調服®・空調風神服)のバッテリーは、おおよそ500回ほど使用できるとされています。1日に1回充電する場合には1年半程度持つことになりますが、夏場のみに使用する場合には、2〜3年ほど使える計算です。
ファンと同様に、異音が生じたり、明らかにパフォーマンスが低くなってきたりした場合には、事故などを防ぐためにも即座の交換をおすすめします。
服 (ウェア)
服は、仕様や用途によって変わりますが、業務に使う場合には一般的な作業服と同様に、2〜3年程度の寿命と考えてよいでしょう。
しかしながら大きく摩耗してしまった場合や、生地が破れてしまった場合には、即座の交換または買い替えをおすすめします。そのまま活用を続けていると冷感の効果が低減してしまい、快適に着用できない可能性があります。
パーツ別のメンテナンス方法
次に、パーツ別のメンテナンス(清掃)方法を解説します。
ファンのメンテナンス方法
ファン付きウェア(空調服®・空調風神服)を使用する上で、ファンユニットは常に空気を吸い込むため、小さなゴミや埃などが溜まりやすい構造になっています。こちらをそのままにしておくとダニやカビの発生源となり不衛生なだけでなく、プロペラ軸やモーターに詰まってしまうと回転を阻害し風力が下がったり、場合によっては故障の原因となってしまいます。そのためファンを定期的に掃除する事は非常に大切です。
ファンユニットは、綿棒や柔らかい布に中性洗剤を染み込ませて清掃します。水洗いは基本的にNGです。プロペラの部分が汚れている場合には表面のカバーを外し、柔らかい布で拭き掃除をしていきましょう。ケーブルジャックの部分は綿棒を使用すると簡単です。
精密機器などの清掃に用いられる「パーツクリーナー」などの商品を使用するのも良いでしょう。
長く使用しない時期には、できるだけ直射日光の当たらない、乾燥した場所に保管しましょう。さらにビニール袋などに入れておけばホコリなども混入せず、完璧です。
また空調風神服のファンは、ファンを開閉することが可能で直接プロペラを拭き掃除できるので簡単に清潔に保つことが可能です。
バッテリーのメンテナンス方法
バッテリーはファンに比べると汚れにくいですが、定期的に目視でチェックし、目立つ汚れがあったら、柔らかい布などを使用して清掃しましょう。
また空調服®・空調風神服に使われているリチウムイオンバッテリーは使用していない時にも放電が続くため、毎日少しずつ残量が低下しています。そして残量がゼロのままに放置しておくと「過放電」状態となってしまい、寿命が短くなってしまうリスクがあります。最悪の場合には故障してしまう場合も考えられるため、長期間使用しない場合には定期的に残量をチェックしましょう。目安としては、オフシーズンでも3ケ月1回は充電しておくことが推奨されます。
また保管場所も重要です。直射日光の当たらない、乾燥した涼しい場所に保管しましょう。理想は15℃から25℃の空間です。
服のメンテナンス方法
服は、生地素材によって適した洗い方が違います。ファン・バッテリーを外すことで普通の衣類と同様に洗濯機で洗うことができますが、洗濯表記(洗濯ラベル)をよく読み、かならず指示にしたがうようにしてください。
以下、素材別に解説します。
綿素材
綿素材の服は、吸湿性、通気性、耐久性に優れ、丈夫で洗濯に強い性質がありあます。
注意点としては、綿素材はシワになりやすく、洗濯すると若干縮みやすいという特徴があります。また色移りや色混じりが起きやすいため、他の衣類と一緒に洗濯する際には注意が必要になります。初めの数回は手洗いか、単独で洗濯してみて色落ちしないか試してみることをお薦め致します。
綿素材はポリエステル素材などと比べると乾燥に時間がかかるので毎日ご使用になりたい場合などは洗い替えのウェアも用意することをお薦め致します。
ポリエステル素材
ポリエステル素材は、石油からつくられる合成繊維で、磨耗に強く、耐久性があります。
また吸湿性が低く速乾性が高い為、洗濯後すぐに乾いて使える特徴があります。水による収縮がほとんどないことから、型崩れやシワになることがなくイージーケアな素材と言えます。
注意点としては、ポリエステル素材の服は高温環境に弱く、高い温度に設定した乾燥機に入れると溶けてしまう可能性があります。乾燥機を使う場合には、30℃くらいの温度がベストとされています。
また油性の汚れが吸着しやすく、落ちにくいという特性上、油汚れの多い自動車や機械整備の仕事などには不向きな素材となっています。
混紡素材
混紡素材に関しては、使用されている素材によってメンテナンス方法は異なります。基本的には、割合として多く含まれている方の素材を基準にして洗濯を行います。
綿もポリエステルも洗濯機で洗えることが多いように、混紡素材も洗濯機で洗える場合位が多いですが、しかし生地の編み方によっては洗濯機も手洗いもNGになっている事もあるので、その場合は洗濯表示に従って洗濯方法をお選びください。
チタンコーティングの素材
チタンコーティングされた服は摩擦に弱く、とりわけデリケートに扱う必要があります。毎日の洗濯により少しずつチタンコーティングが剥離していってしまうからです。
そのため、洗濯の際には次の5点を遵守することが大事になります。
- ・きちんとファスナーを閉めて、洗濯ネットに入れること
- ・弱アルカリ性の洗剤を使用する
- ・酵素系や塩素系の漂白剤は使わないこと
- ・手洗い・漬け置きNG
- ・タンブラー乾燥もNG