こんな時代だからこそ、医療系ユニフォームの選び方を考える!

医療系ユニフォーム

医療職はエッセンシャルワーカーとも呼ばれるように、私たちが生きていくためには欠かせない仕事のひとつです。

新型コロナウイルスの感染拡大が進む状況のなかで私たちが今も日常生活を過ごすことができるのは、最前線で患者の治療に取り組んでくれる医療従事者の方々がいるからに他なりません。

今回は、医療職に従事する方々が着用するユニフォームについて、その基礎知識から選び方まで、詳しく解説していきます。

医療現場で使われるユニフォームとは?

医療現場で活用されるユニフォームには、さまざまなタイプのものが存在します。

そのなかでも、よく着用されることの多い代表的なユニフォームを紹介します。

スクラブ

近年、着用者が増えてきているのが「スクラブ」と呼ばれるタイプのウェアです。

スクラブとは、そのまま英語の「scrub」のことであり、ゴシゴシ洗うことを意味する言葉です。実際に強く洗っても劣化しづらい生地が採用されており、そのタフさが魅力です。

また、一般的な衣服であるTシャツと同じ構造をしているため、着脱が容易におこなえることも大きなメリットとなります。

生地が薄く軽量で、機動性が高く、くわえてカラーリングも豊富に用意されているため、さまざまな医療従事者から支持を得ているユニフォームです。

スクラブ

ナース服

長いスカートのワンピースタイプの服は、一般的に「ナース服」などと呼ばれています。

多くの人は「看護婦」「看護師」という職業のイメージとして、このタイプのウェアを着ている人たちを想像するかもしれません。

看護婦の象徴的存在ともいえるナイチンゲールが着用しており、看護婦という職業が誕生してから現在に至るまで着用され続けている代表的なユニフォームです。

ナース服

ケーシー

 

襟がスタンド型になっており、肩口のあたりにボタンが付いているタイプのウェアが、「ケーシー」です。

理髪師が着用していたものが発祥となっており、その動きやすさが評価されて、現在では医療従事者にも愛用されるようになりました。

ケーシーという名前は、とある海外ドラマの主人公「ケーシー」が着用していたことに由来するそうです。

ケーシー

ドクターコート

着丈が足の方まである、ロングコートタイプのウェアです。一般的な白衣と違って、基本的には医者が着用するために作られたものです。

「医者」と聞いて多くの人がイメージするのが、このタイプの衣服かもしれません。どこか信頼性や権威性を感じさせるような佇まいの印象を受けます。

ロング丈の衣服ではあるものの、着丈が長すぎると周囲に引っかかってしまったり、動きにくかったりすることもあるため、近年は短めのドクターコートが選ばれる傾向にあるそうです。

ドクターコート

医療の仕事をサポートするための「加工」と「素材」

医療職のユニフォームには業務の性質上、清潔さが重視されます。

そのため、以下のような認証を受けたものや、加工が施された製品であれば理想的です。

有害な菌の増殖を防ぎ防臭する「制菌加工」

制菌加工とは、繊維に付着した黄色ブドウ球菌や肺炎かん菌などの“人体に有害である菌の繁殖を防ぎ、防臭することができる”加工のことです。

後述する「抗菌防臭加工」よりも高度な加工といえるかもしれません。

嫌な匂いの発生を防ぐ「抗菌防臭加工」

抗菌防臭加工とは、黄色ブドウ球菌というものの繁殖を抑えて“臭いを防ぐため”の加工です。制菌加工とは似て異なり、身体に有害である菌の繁殖は防ぐことができません。

制菌加工などの認証基準「SEKマーク」

SEKマークとは、ある製品が、制菌加工、抗菌防臭加工、抗カビ加工、抗ウイルス加工など、さまざまな衛生基準に対して一定の基準をクリアしていることを証明するためのマークです。一般社団法人の繊維評価技術協議会が制定しました。

SEKとは「Sen-I Evalution Kino」の略語であり、繊維評価技術協議会のことを指しているそうです。また「S=清潔」「E=衛星」「K=快適」の意味もあるという打ち出し方もしており、このマークで認証された製品は、清潔・衛生・快適の3要素が保証されているのです。

日本で初めて「抗菌防臭加工」の製品が発売された1980年頃は、数多ある繊維メーカーが独自の評価基準から「制菌」「抗菌防臭」を謳うことができたため、消費者の立場からすると信頼性のおける製品であるかが判別しづらかったそうです。そのため、経済産業省(当時は通商産業省)が指揮をとって、繊維製品衛星加工協議会が設立され、1989年にSEKマークという認証制度が生まれました。

そして2007年にはISO規格として国際標準化されるまでに至ります。

前述の「制菌加工」や「抗菌防臭加工」のものを選びたい場合には、SEKマークの認証を受けた製品であればバッチリです。

抗 菌 ウィルス 素材

そのほか、医療現場でユニフォームに欲しい機能

上に挙げた認証や加工のほかに、医療の現場において役立つ機能・備わっていると嬉しい性質を紹介します。

透け防止

白衣タイプのウェアの場合、透け防止のような加工がされている素材を選ぶ方がベターです。

とくに女性の場合には、中に着用しているインナーなどが透けにくく、形状も判別しにくいようなウェアを選ぶとよいでしょう。

帯電防止

帯電防止とは「静電気を発生させにくい機能」のことをいいます。

医療従事者は、患者などと触れ合う機会も多いため、帯電防止機能を備えたユニフォームを選ぶようにすれば、日々の業務も安心しておこなうことができます。

防汚加工

防汚加工とは、汚れが付きにくくなる加工、もしくは汚れを洗浄する際に落ちやすくする加工のことです。

代表的な加工技術として、生地にフッ素樹脂加工を施して表面の凸凹をなくして汚れを付けにくくする「ソイルガード(SG)」や、機能性ポリマー樹脂を加工して繊維に水分を浸透させやすくして汚れを落としやすくする「ソイルリリース(SR)」というものがあります。

また、厳密には防汚とは言えないもしれませんが、繊維の断面を加工することで光の反射を工夫することで汚れを目立たなくさせることができる「ソイルハイド(SH)」という技術も存在します。

吸汗速乾

医療職は、患者のサポートなどで身体を動かしたりすることも多い職種です。

汗をかくと身体がベタついてしまい動作性が損なわれます。また汗染みなどが付いたウェアを着ていると清潔感が得られなくなり、患者からのイメージも良くありません。

吸汗速乾機能が備わったユニフォームであれば汗を素早く乾かすことができ、同時に身体から熱が逃げていくことも防げるため「冷え」の対策にもなります。

使用環境に合わせて、適切なユニフォームを選択することが肝心です!

今回は、医療現場での使うユニフォームについて、選び方を解説しました。

医療職に就く方々が着用するユニフォームには、その仕事の特性から、さまざまな機能が求められます。

使用環境や勤務先の規則などを踏まえて、適切なユニフォームを選びましょう。

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