「離職率が下がる!?」空調服 導入で労働活況改善

建設、運輸、警備 などの肉体労働は離職率が高く人手不足

建設、運輸、警備 は人手不足

少子高齢化の影響もありさまざまな分野で人手不足が問題視されており、その解決策の一つとして働き方改革などが叫ばれています。そんななか、建設、運輸、警備といった肉体労働はとくに離職率が高く、慢性的な人手不足の状況が続いています。

もともとこれら肉体労働系の仕事は「キツい仕事」のイメージが強く、短期労働での就業が多いイメージもありますが、それはむしろ話は逆で、離職する率が高く人手不足が慢性化しているからこそ短期労働の労働者に頼らざるを得ない面もあるのです。また人手不足になればなるほど作業員ひとりひとりの負担が大きくなり、ますます「キツい仕事」になってしまう悪循環に陥るケースもしばしば見られます。

平成30年度における産業別の離職率では建設業が9.2パーセント、製造業は9.4パーセントと実はそれほど高い数字にはなっていません。例えば宿泊業・飲食サービス業の26.9パーセントに比べるとかなり低く、定着率は高いとも言えるでしょう。ただ一方で同じデータにおける入職する率が建設業で10.0パーセント、製造業では離職する率よりも低い9.3パーセント。つまり「辞める人と入ってくる人の差がほとんどないか、辞める人の方が多い」状況なのです。これが肉体労働系の業種における人手不足の大きな原因ともなっています。

ですから他の業種との比較では離職する率は高いとは言えない一方、人手不足の観点から見ると高い数字となっており、できるだけ離職する率を減らしつつ、入職希望者を増やしていくことが人手不足を解消していく上での重要なテーマとなっています。

特に暑い夏と寒い冬の離職率が高い

猛暑は離職率が高まる

肉体労働系の業種の宿命ともいえる部分でもありますが、どうしても暑い夏と寒い冬の離職率が高くなる傾向があります。屋外での作業が多くなりますし、とくに近年の日本の夏の暑さは「殺人的」と言われるように肉体労働に従事する人たちにとって非常に酷な環境になっています。春と秋にはなんとか人手を確保できている現場も夏になるとごっそりと作業員が離職してしまい、たちまち人手不足に陥ってしまうことも少なくありません。

夏の離職率について

一年のうちでもとくに離職する率が高くなるのが夏です。先のデータでは建設業で9.2パーセントとありましたが、その数字よりも大幅に高くなるのは間違いないでしょう。厄介なのは正規雇用の作業員だけでなく、アルバイトなど短期雇用の非正規の作業員の離職する率も高くなる一方で入職する率が低くなってしまう点です。正社員がどんどん辞めてしまうので短期雇用で補おうとしても希望者がほとんど現れない、これが現在抱えている肉体労働の業種の実態です。

冬場の離職率について

それに比べると、冬場の離職する率は平均からそれほど跳ね上がることはありませんが、やはり厳しい冬の寒さに辞めてしまうケースも多く見られます。冬場の離職する率が夏場に比べてそれほど大幅に上昇しない理由には、建築の分野は2~3月の間に需要が増加するためその時期に入職する人が多い点が挙げられます。逆に言えば12~1月頃は離職する人が多い一方で入職する人も少ないという厳しい状況に陥る傾向が見られるのです。この点は警備関連の仕事でも同様のものが見られ、特徴となっています。

夏の離職率改善に空調服を

混紡素材の空調服2

人手不足解消の大きなテーマとなる夏場に離職する率の改善には空調服の導入が適しています。暑さを解消する手段はいろいろありますが、これがもっとも効率のよい選択肢の一つとして注目されているからです。

空調服の特徴は作業現場の暑さを緩和するのではなく、作業員ひとりひとりの暑さを緩和する点にあります。例えば工場にエアコンを導入しても充分な冷房効果が得られないこともありますし、働く場所によって涼しいところと暑いままのところがでるなど、待遇に格差が生じてしまうこともあります。さらに高熱が伴う作業ではエアコンの効果はほとんど望めないでしょう。

それに対してこの服はファンを装着することで服の内部で空気を循環させる機能を備えており、着用した作業員ひとりひとりに冷却効果が期待できます。高熱の作業にも耐えうる素材・機能を備えたものも増えており、業者や働く環境を問わず夏の暑さ対策に役立つ点も注目されています。

空調服で疲労軽減

服の内部が涼しい環境になるので体を直接冷やすことができます。倉庫内で働いている時は涼しいけど屋外で作業する時にはたちまち暑くなってしまう、そんな環境ではどうしても疲労が蓄積しやすくなってしまいます。作業員ひとりひとりがつねに涼しい環境で働くことができれば疲労の軽減に役立つだけでなく、作業効率のアップも期待できるでしょう。

熱中症対策にも効果的

熱中症は体温が上昇しすぎて体の温度調節機能がうまく機能しないために生じます。それが脱水症状や血管の過剰な拡張、さらには痙攣や意識の喪失といった深刻な問題を引き起こします。

やはり、仕事中に熱中症にかかるケースは肉体労働系が圧倒的に多く、例えば1997~2015年までの労働災害としての熱中症による死者数383人のうち57.2パーセントが建設業、13.8パーセントが製造業、6.0パーセントが警備業です。つまりこの3つの肉体労働の業種で80パーセント近くを占めていることになります。死亡のような深刻な被害に至らないケースを含めればこれらの業種での熱中症の被害はさらに多くなるでしょう。

空調効果で体を適度に冷却できる環境があれば、体温が上昇したまま戻らなくなる症状の予防に役立つことができます。従業員の健康管理の点でもメリットが期待できるわけです。

企業の仕事環境改善は責務

働き方改革

このような従業員の作業環境の改善は企業の責務といっても過言ではなく、それが企業のブランドイメージにも発展するのは間違いないでしょう。

環境改善する事で採用にも好影響

言い方を変えれば労働環境を改善することでブランドイメージを向上させ、「従業員に配慮している企業」「安全・快適に働ける企業」としてアピールすることもできます。これが採用にも好影響を及ぼすでしょう。

事例紹介

実際に空調服を導入し、一定の効果が見られたケースもあります。

事例紹介

建設業 A社の場合

建設業のA社では慢性的な人手不足に悩まされており、とくに夏場の作業現場の環境改善が急がれていました。その一環として空調服の導入が図られたのですが、作業員全員に支給したところ離職率が大幅に改善、作業効率もアップする効果も得られました。それ以上に作業員ひとりひとりの意識の変化があり、これまでは暑い夏に半ばうんざりするように作業していたのが働く意欲を持って積極的に取り組むようになった効果が得られたのも大きな収穫となりました。

警備業 B社の場合

警備業のB社の場合は屋外での勤務が多いため、暑さ対策に加えて紫外線対策も視野に入れてUVカット加工が施された作業服を導入しました。建設業や製造業に比べると激しい動きがなく、空調効果を発揮しやすい環境もプラスに作用したのでしょう、これまで深刻な問題となっていた夏場の離職率が低下したうえ、この評判が広がり入職希望者も増加傾向を見せています。

空調服で労働環境改善を図ろう

離職者を減らし、入職希望者を増やすためには職場の労働環境の改善が不可欠です。どの企業でもわかっていることですが、なかなか思うように行かないのが実情です。その点空調服は設備投資の必要もなく、低コストで高い効果が得られる対策として非常に有望といえるでしょう。

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