空調ウェアを長く使うためには?ウェア・ファン・バッテリーともに正しいメンテナンスが必須です!

空調服のメンテナンス方法

“空調服(R)”“空調風神服”は、電気を使用した機能性ウェア、工業製品であるため、取り扱いやメンテナンスはおろそかにしてはいけません。
部材やウェアの素材によって、メンテナンスや洗浄のポイントは異なります。
今回は、“空調服(R)”“空調風神服”を長く使用するための正しいメンテナンスについて、解説します。

ファンのメンテナンス 取り付け方・取り外し方

ファンのメンテナンス
空調服(R)は構造上、ファンユニットの部分にホコリや砂、粉塵がたまりやすい仕組みとなっています。
汚れたまま使用すると従来の風量が送れなくなり、冷涼感が低くなる可能性があるため、定期的な洗浄・メンテナンスが必要です。
ファンのメンテナンスを、外し方から洗浄方法、再び取り付けるまでの流れをステップ式で解説します。
※ 商品によっては、本記事とは違う手順で洗浄を行うファンもあります。必ず該当製品の取り扱い説明書を読みましょう

1.ファンを取り外す

ファンの取り外し方
まずは、ウェアからファンを取り外します。
1.バッテリーの電源を切り、ケーブルを外す
2.ファンからケーブルを外す
3.ファンのリング部分を空調服(R)の内側から外す
4.ファンを空調服(R)の外側から外す

2.ファンを掃除する

次に、ファンを掃除していきます。
昨今は水洗いができるファンも登場しましたが、一般的なファンは、基本的に水洗いをしてはいけません。次のように掃除していきましょう。
1.布に中性洗剤を含ませて、ファン本体を柔らかい布で拭く
2.綿棒に中性洗剤を含ませて、ファンカバー、ファン本体のケーブルジャックの細かい穴部分などを拭く

3.ファンの取り付け方

洗浄後は、ファンを再び取り付けましょう。
1.ファンからリングを外す
(回して外すタイプと、上から取り外すタイプがあります)
2.服の表面(外側)の穴からファンを差し込む
3.服の裏側(内側)からファンにリングをはめ込む
4.ファンとバッテリーをケーブルで繋げる
5.最後にファンとバッテリーをつなげる
6.両方のファンを繋ぎ止めるケーブルを、マジックテープで服に固定する
7.ケーブルをバッテリーのジャックに差し込む
8.バッテリーをウェア内部のポケットに収納する
以上で、ファンのメンテナンスは完了となります。

バッテリーを長く使うには?

バッテリーのメンテナンス
“空調服(R)”“空調風神服”に使用するバッテリーは電化製品です。
間違った取り扱いや保管方法によっては内部劣化の危険性があり、最大限まで劣化すると、使用不可能となってしまいます。
長持ちさせるには、電池残量の調整や、正しい保管方法が必要になります。

放置しすぎによる「過放電」に注意!

充電式のバッテリーには、一般的にリチウムイオン電池が使用されており、何もしなくても電気を消費する「自己放電」という現象が起こります。
リチウムイオン電池は、1年で10%ほどを放電しているため、長期間使わない場合は、電池が0を切り、「過放電」状態となってしまいます。
過放電状態になると、電池の容量の低下や、内部の劣化につながります。また安全回路が作動して、再び利用できなくなる可能性があります。
したがって、“空調服(R)”“空調風神服”を頻繁に利用しているシーズンにおいて、電池の残量が0になった場合には、数日中(3日以内が理想的)に必ず充電をしましょう。
一方で、充電が100%の状態においても、電圧が高い状態から電池に負担がかかり、劣化してしまう可能性があります。
以上のことから、バッテリーの保管時において理想的な電池残量は「30?50%程度」とされています。
長期間の使用がない時期においても電池残量は少しずつ減り続けているため、過放電を避けるために、半年に1回程度のスパンで充電をすることが推奨されています。
また、保管温度は高すぎても低すぎてもよくないとされており、常温(15℃から25℃)の乾燥した空間で保管することが理想的とされています。

生地によって洗濯のポイントは違います! 素材に合わせた洗濯をしよう

服のメンテナンス
空調服(R)のウェア部分は、多様な素材を使って制作されています。
普通の衣類と同じように洗濯表記に従うことで、家庭にある洗濯機で洗濯できますが、素材別にさまざまな注意点があります。

素材共通・基本的なウェアの選択方法の注意点

まずは、全素材共通の洗浄に関する注意点を説明します。
・ファンとバッテリーを外して洗濯機に入れる
必ず、ファンとバッテリーを外して洗濯しましょう。付けたまま洗濯してしまうと故障の原因になります。
・油や泥が付いたまま洗濯機に入れない
油や泥が付いたまま洗濯機に入れてはいけません。他の衣類に移る可能性があるからです。詳しくは後述しますが、油・泥を上手に落としてから洗濯しましょう。
・生乾きで使用しない
“空調服(R)”“空調風神服”を使用する際には、ウェアが生乾きのままファンを取り付けないようにしましょう(故障の原因となります)

素材別の洗い方 【綿100%】

綿素材は縮みやすい特性があります。一般的に、洗濯後には数%ほど縮むとされています。
したがって綿素材の“空調服(R)”“空調風神服”を購入する場合には、通常時の衣服より1サイズ大きめの製品を選ぶことを推奨します。
また、ポリエステルと比べるとシワがつきやすく、変色や退色が起きやすい性質となっています。ほかの衣類と一緒に洗濯する際には、色移りに注意しなければいけません。

素材別の洗い方 【ポリエステル100%】

ポリエステルは、綿と比べると洗濯後の形状の変化はごくわずかです。また色落ちも起こりにくい素材です。
しかし、乾燥機にかけてしまうと溶けてしまう危険性があります。高すぎる温度で乾燥機にかけないようにしましょう。30℃ほどがちょうど良いとされています。

素材別の洗い方3 「綿・ポリエステル混紡」

綿とポリエステルの混紡素材に付いては、多く混紡されている方の繊維に合わせて洗濯しましょう。
綿の方が多く使われていれば、変色や退色をしないように、ほかの衣類とはなるべく洗わないようにするべきです。
ポリエステルの方が多く使われていれば、高い温度で乾燥機にかけてはいけません。

素材別の洗い方 4「チタン加工素材」

強力なUVカットを実現するための素材が「チタン加工素材」です。
チタンという素材は摩擦に弱く、洗濯を繰り返すうちにチタン加工が服から剥離してしまうという特性があります。
チタン加工素材を使用した“空調服(R)”“空調風神服”のウェアを長持ちさせるためには、以下のような注意が必要となります。
・浸けおきや、手洗いはしない
・洗剤は弱アルカリ性を使用する
・漂白剤(塩素系・酸素系)は“絶対に”使わない
・タンブラー乾燥はしない
・ファスナーを閉じて、洗濯ネットに入れる
この5点に気をつけて、洗濯しましょう。
以上、素材別に注意点を説明しました。
このように、使用された素材によって適切な洗濯方法は異なります。
素材に合った洗濯方法を必ず選び、“空調服(R)”“空調風神服”を長く使用していきましょう。

空調服(R)のひどい汚れ・シミ… 抜くにはどうすれば?

洗濯ラベル
空調服(R)は、さまざまな状況で活用されています。現場によって泥や油など、種類の違う汚れが付く可能性があります。
汚れを取るためには、まずは、付いてしまったシミの性質を把握することが大事です。
一般的な汚れ・シミを3種類に分別して、それぞれの性質に適した洗い方を紹介します。

水溶性

(例)醤油・果汁・汗など
ジュースや醤油、汗などが落ちてできたシミが水溶性のシミです。水に溶けることから、水と洗剤で洗い流せば、簡単に落ちます。
シミが付いた瞬間に対処すれば落ちやすくなっています。

油溶性

(例)皮脂・サラダ油・口紅・ファンデーションなど
例えば体から浮き出た脂、口紅、カレーのシミは油溶性の汚れです。したがって水で洗い流しても落ちません。油に溶けるため、油(洗剤)を使って落とすことになります。
油汚れを落とす鍵は「高温」と「アルカリ性の洗剤」です。
60度程度のお湯をバケツに入れて、アルカリ性の洗剤(軽いものであれば、台所用の洗剤も可)を入れて2時間ほど洗剤に浸け置きます。おおよその油は落ちるので、その後に洗濯機に入れましょう。
また襟元などで目立つ皮脂汚れのシミには、化粧品を落とす際に使うクレンジングオイルを用いても対応可能です。

不溶性

(例)泥・ホコリなど
泥やホコリなど、水でも油でも解けないシミのことを不溶性のシミといいます。「溶けない」ということは、洗剤の力はあまり関係ないということです。
泥が付いたままで洗濯をすると、繊維の隙間に泥が混入してしまいます。洗濯前の下洗いとして、泥を繊維から掻き出すことが重要です。空調服(R)をよく乾かして、ブラシなどを使って、まずは泥を落としましょう。その後に、洗濯用の固形石鹸を使い、ブラシなどで汚れを落とします。
最後に洗濯機に入れて洗濯を行いましょう。

定期的なメンテナンスを施して、空調服(R)を長持ちさせよう

今回は、“空調服(R)”“空調風神服”のメンテナンス法について、解説しました。
“空調服(R)”“空調風神服”は、電気を使用した工業製品であるため、それぞれの部材を正しくメンテナンスすることが必要です。取扱説明書や洗濯表記をよく読んで、長く活用できるように正しくメンテナンスしてしていきましょう。