空調風神服がより便利になる 専用アクセサリを徹底紹介
空調風神服のあゆみ
ファンによって服の内部に空気循環をもたらして冷却効果を発揮する空調服。その機能を最大限に発揮するべく開発されたのが空調風神服です。首の部分に風の通りを良くする風気路を設定することで涼しくし、作業中にファンが落下しないよう防ぐ落下防止用のリングを搭載するなどさまざまな工夫が盛り込まれています。
しかしそんな空調風神服のあゆみは決して順調なものではありませんでした。そもそもこうした空調効果を発揮する服の理解がなかなか進まず、市場での評価がなかなか得られなかったのです。
最初の空調服が誕生したのが平成16年です。すでに15年以上の歴史を持っているわけですが、ほとんどの人は「そんなに前からあったの?」と驚かれるのではないでしょうか。発売当初はあまり話題にならず、それどころか批判の声の方が多かったのです。
その理由は効果と機能性の問題でした。動力は現在のようなバッテリーではなく市販の乾電池。その分消耗も激しくすぐに交換する必要があり、出力も弱かったので冷却効果も今ひとつでした。しかもまだまだコストが高く一着2万円程度で、これでは単に高くてかさばるだけと評価されても仕方がなかったのかもしれません。
そんな状況に変化が生じたのが平成23年に発生した東日本大震災です。恐ろしい地震に続いて原発事故が発生し、電力事情が不安定になりました。そんななかで工場や倉庫などの作業現場で夏場にエアコンが思うように使えなくなり、空調効果を発揮するこの服に注目が集まるようになったのです。
需要が高まれば進化も加速します。売れればそれだけ開発・製造にコストをかけられるようになりますし、そうなればどんどん性能も効率も良くなっていきます。動力はバッテリータイプになり、冷却効果も耐久性もアップ、さらにはUVカット加工など作業現場で役立つさまざまな機能が搭載されるようになりました。
このような好循環が生まれた中で登場したのが空調風神服です。作業服のイメージを覆すスタイリッシュなデザイン、優れた省エネ効果などの特徴が高く評価され、多くの作業現場で採用されているほか、アウトドアのレジャーなどプライベートでの利用も増えています。実際にこの服を導入することで、夏場の作業が10パーセント以上効率化する、エアコンなどを使うよりもエネルギーコストが削減できるなどの報告もあります。
このように空調効果を持った服は年々注目を集めており、空調風神服を含めこれからますますの進化が期待されています。
空調風神服着用時の注意点
そんな空調風神服ですが、着用時にはいくつかの注意点があります。まず、汗をできるだけ早く蒸発させる環境を整えること。空調効果によって汗を蒸発させることで体を冷やし、快適な環境を維持するのがもっとも重要なポイントで、速乾効果を備えたインナーと組み合わせると効果がアップします。逆に汗がたまりやすい、空調によって汗が冷えにくい服を中に着込んでいる場合には効果が得られにくくなってしまうのです。代表格はワイシャツで、ほかにも速乾性のない長袖Tシャツなどにも注意が必要です。
またいくら空調効果を発揮するからといっても通常夏場に着用するシャツに比べると厚手の服を着るわけですから、慣れるまでは不快に感じてしまうこと、内部の風による冷却効果よりも暑苦しさのほうが気になってしまうことがある点にも注意したいところです。作業現場のようにその場全体が暑い場所で着用するのは効果的ですが、それほど暑くない、あるいはある程度涼しい風がある場所では着用するとかえって暑く感じてしまうこともあります。
空調服の利便性と効果
こうした注意点を踏まえた上で空調服の利便性と効果を挙げてみると、着用する本人からの視点と、導入する企業の視点の2つから見ることができます。まず着用者のメリットとしては、作業中どんな状況でも涼しさを感じることができる点が何と言っても魅力です。冷房が効いているところは涼しいけど、作業をする場所は冷房がほとんど効かないので蒸し風呂のような環境だとどうしても不快になるほか、集中力の低下や急激な温度変化による体調不良、さらには熱中症のリスクを抱えることになります。しかしこれを着用すれば服の内部で冷却効果を発揮するため、どこにいても、どんな作業をしていても一定の冷却効果を得られることになります。
導入する企業の視点からすれば夏場の作業効率のアップに結びつくのが最大の魅力です。先述したように実際に導入することで効率が向上し従来よりも納期を早めることができるといったメリットが現場で得られています。
また職場環境全体の改善を効率よく達成できる点も魅力です。例えば工場全体を涼しくするのは簡単なことではありません。エアコンをガンガンかけて光熱費の負担をかけても思ったように涼しくならないことも珍しくありませんが、作業員ひとりひとりに着用させるこの服なら確実に効果が期待できます。
さらに快適な環境を提供すれば離職率の低下に結びつけることができますし、「働く環境がよい企業」「作業員に配慮しているよい企業」といったイメージを得ることで入職希望者の獲得にも結びつきます。冷却効果だけにとどまらない効果・メリットも得られるわけです。
アクセサリー・備品の種類
この服は基本的にメインの服と、ファンとバッテリーの3点によって成り立っています。服で体を覆った上でバッテリーから供給される電力でファンを動かし、服の内部で空気循環を生み出すのです。この3点と電力さえ確保していれば充分に動かすことができるのですが、さらに効果を高め、作業を快適にしてくれるアクセサリー・備品などもいろいろと用意されています。
代表的なものとしてはバッテリー充電器が挙げられるでしょう。屋外での作業などバッテリーが切れたときにすぐに電力供給ができない環境に役立ちます。それからバッテリー専用リモコン。スマホでバッテリーの操作ができるタイプもありますが、作業現場によってはスマホを持ち込めないこともあり、そんなときに便利な備品です。
職種による空調風神服の便利なアクセサリーの御案内
こうした備品は職種・業種ごとの作業環境に配慮して作られたものが多く、うまく組み合わせて使うことでさらに作業効率を高めることができるでしょう。
建設業・作業に適したおすすめの空調服とアクセサリー
建設業に適したものでは高所での対応に適したフルハーネス対応のタイプがおすすめです。体を安定させた状況で、しかも安全に作業を行うことができます。屋外での作業が多くなるのでUVカット加工が施されているとなおよいでしょう。
アクセサリーではそのフルハーネスを着用した際に空気循環を維持するためのインナーベストなどもあります。フルハーネスで空気の流れを遮断してしまうと十分な冷却効果が得られなくなってしまうこともあるからです。生地はメッシュタイプがおすすめです。
倉庫・配送作業に適したおすすめの空調服とアクセサリー
倉庫・配送作業では腕を高く持ち上げるなど腕周りの動きやすさが重視されるため、長袖タイプよりも半袖・ベストタイプがおすすめです。特にベストタイプは腕を自由に動かせるので適しているでしょう。ただ服内部の空調効果そのものは長袖の方が密封性に優れているため高くなります。この点に配慮したうえで選んでみましょう。
アクセサリーではファンが脱落しないよう固定するリング、インナーとして着用する保冷剤つきのメッシュベスト、逆に空調服に重ねて上着を着たい時にファンの効果を損ねないようにするスペーサーなどがおすすめです。屋内と屋外を行き来して気温差が激しい場所で働くことも多いのでこうした体感温度を調節できる備品が重宝するでしょう。
あると便利な法人様向けの充電ステーションについて/
法人様向けでは充電ステーションという備品もあります。スマホのバッテリー充電器のようなもので、複数のバッテリーをまとめて充電できるのが特徴です。例えば空調風神服用の充電ステーションでは最大10個のバッテリーを同時充電できます。長時間の作業ではどうしても途中でバッテリー切れが起こりやすくなるので、これを一台確保しておくだけで予備のバッテリーを確保し、バッテリー切れで効果が得られなくなってしまう環境を防ぐことができるでしょう。
空調服だけじゃない。夏の便利グッズについて
ほかには頭部に装着することで冷却効果が得られるヘルメットクーラーや、首の部分に装着することで涼しくなれるネッククーラー、保冷剤、速乾性に優れたインナーなども夏場に導入すると役立つ便利グッズです。状況に応じて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
機能が年々向上し、冷却効果はもちろん、効率化を推進するための機能性も向上している空調服。業種を問わず今後ますます注目を集めつつ、導入が進んでいくことが予想されています。これからの機能の工場や新製品の登場にも目を向けてみたいところです。