食品安全マネジメントシステム規格FSSC22000 をわかりやすく解説! HACCP・ISO22000とはどう違う?

みなさんは、食品安全マネジメントシステムの規格「FSCC22000」を知っていますか?

「HACCPなら知っているけど…」
「ISO22000とは違う規格なの?」

上記のような疑問が浮かびますよね。

本記事ではFSCC22000がどのような規格で、認証を受けることでどんなメリットがあり、HACCP等とはどう違うのかわかりやすく解説します。

また記事の最後には、FSCC22000に対応したユニフォームも紹介しています。食品関係に従事する方々のご参考になれば幸いです。

 

「FSSC22000」とは、Food Safety Certification(食品安全認証)の略語であり、安全な食品を保証するための国際的な規格です。オランダのFSSC(食品安全認証財団)が開発しました。

ノロウイルスなど食中毒の防止や、生産地偽装などのコンプライアンス不正が起こらないようにする仕組みであり、ひいては消費者が安心して食品を食べられる社会を構築するための管理システムといえます。

 

FSCCP22000を認証されるメリット

FSSC22000を認証されることで、さまざまなメリットが得られます。対外的なメリットと、対内的なメリットに分けて解説します。
 

対外的なメリット

・組織のWebサイトや社屋、パンフレット等に認証マークを記載することで、自社製品の安全性をアピールでき、取引先や消費者から信頼される
・国際規格のため、国外企業とのビジネスチャンスが拡大する
・原材料の仕入れから最終消費者にわたるまで、サプライチェーンすべてを管理できる
 

対内的なメリット

・製造工程を見直すことで、業務効率の向上が見込める
・製品回収等、トラブルが起きた時のさまざまなリスクが低下できる
・従業員の仕事に対するモチベーションや衛生・安全意識が上がる

などが挙げられます。


 

対象となる事業者は?

認証範囲となる事業者・組織は、以下のとおりです。

・畜産・水産業
・食品製造
・動物の飼料製造
・ケータリング
・流通
・輸送及び保管サービスの提供
・食品包装及び包装資材の製造
・化学製品(生化学製品を含む)の製造

 

認証されるためには?

FSSC22000のガイドラインを自社に適用したマニュアルを作成・運用して、認証機関からの審査に合格すると、登録証が発行されます。

また、FSSC22000のWebサイトにも掲載されます。

認証の有効期限は3年間で、1年ごとに審査を受けなければいけません。また3年間のうち1回は抜き打ちの審査となっており、それを拒否すると認証が一時的に停止されます。停止されたまま半年以内に審査を受けずにいると、認証そのものが取り消されてしまいます。

 

認証するのはどんな機関?

実は、開発団体であるFSSC財団自体は認証をおこなっていません。

実際に認証するのは、食品小売界の非営利団体である「国際食品安全イニシアチブ(GFSI:Global Food Safety Initiative)」です。アマゾンやマクドナルド、ウォルマート、イオンなど、世界の食品企業や流通系企業約650社が加入しています。著名な企業群が所属している団体ということもあり、FSSCは食品安全マネジメントの認証制度として高く信頼されています。
 

次に、HACCP(ハサップ)やISO22000との違いについて解説します。

食品関係のお仕事をされている方であれば、FSSC22000と同様の規格である「HACCP」や「ISO22000」をご存知の方も多いでしょう。

まずはおさらい的に、それぞれの規格を説明します。

 

HACCP

HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略語であり、直訳すると「危害要因分析必須管理点」となります。

なんだか難しそうな言葉ですが、簡単に説明すると、食品の安全性を高めるため製造から出荷までの全工程を管理する手法のことです。

食材の原料から製造現場、そして出荷に至るまでの工程のなかで異物などが混入しないよう分析し、消費者の健康被害を未然に防ぐことが目的となっています。日本においては食品衛生法の改正により、2021年6月以降、食品関係の企業を対象としてHACCPのガイドラインに沿った衛生管理が完全義務化されています。


 

ISO22000

ISOはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略語であり、「地球に存在する全ての国で同じ品質のものを提供できるように」という目的のもとに制定された国際規格のことです。22000は食品安全マネジメントシステムに関しての規格となります。

HACCPは認証団体が複数存在し、それぞれ基準が異なるため、国際的な規格とするには不十分な部分もあります。そこで作られたのがISO22000です。

ISO22000はHACCPの内容をすべて含み、フードチェーン(原材料の製造から商品の輸送、最終消費まで)のすべてが管理の範囲となります。「製造以外の工程」も含むため、農業・漁業など一次産業の従事者から食品の包装資材を作る会社、食品工場の従業員のユニフォームを作る会社、食品を保管する倉庫会社などもすべて含み、直接食品に触れることのない事務職や経営者の人々まで、食品に関わる全員が対象となります。

設備などのハード面だけでなく、教育やリスク管理などのソフト面も含め、食の安全を確保するためのシステム全体をマネジメントする規格です。


 

FSCC22000がHACCP・ISO22000と違う点

FSSC22000は、HACCPをもとに作られたISO22000をさらにベースとして作られた規格であり、HACCPやISO22000の内容をすべて含みます。つまり「HACCP」や「ISO22000」の上位互換のような規格となっています。違う点としては、業種別に以下のような要求事項が追加されていることです。

・食品防御や偽装防止のため、計画書を備えること
・アレルギーに関するラベル表示
・組織のWebサイトや印刷物等にFSSC22000のロゴを記載すること

またISO規格は5年ごとに見直され、必要があれば改定されますが、FSSC22000は今のところ1、2年で改定される傾向にあり、大きな食品事故などが起きた場合などに、同様のトラブルが発生しないよう対策事項が追加されます。規格の改定頻度が高いのもFSSC22000のポイントです。
 

FSSC22000が誕生した経緯

ISO22000は、国家や機関によって内容の解釈が違う場合も多く、細かい部分まで管理できているとは言えない状況でした。解決するためには、さらに具体的な基準が必要とされていたのです。

そのため、ISO22000をベースにして、衛生管理手法などを細かく記載した内容を追加し、厳格化した基準を取り入れたのがFSSC22000なのです。
 

FSSC22000のガイドラインに対応したユニフォームの一例として、サンエスのWA21721シリーズを紹介いたします。

FSSC22000を認証済み、もしくはこれから認証を受けようとしている企業様におすすめです。
 

WA21721

衛生管理区外でも衛生的に着用できるポケットレスタイプの長袖ブルゾンです。襟はスタンドカラーで、すっきりとした印象となっています。

ポケットを無くしたことによって体毛やホコリ等の異物混入を防ぎ、職場を衛生的に保ちます。また危険物の持ち込みや情報漏洩を防止する機能もあります。

帯電防止機能(JIS T8118適合)も付いており、静電気の滞留による事故を防ぎます。

カラーはシルバー×ワインレッド、ネイビー×シルバー、ブルー×シルバーの3色展開となっています。
 

WA21724

こちらはポケットレスのパンツです。ポケットを設けない事により事故や人為的なトラブルの発生を防ぎ、職場の安全・衛生に寄与します。

ワンタック構造になっており、フォーマルな雰囲気となっています。脇ゴム仕様のため、ストレスなく楽に履けるのもポイント。JIS T8118規格に適合した帯電防止機能も保持しています。

カラーバリエーションにはネイビー、ブルー、シルバーの3色が用意されています。
 

また最近では食品工場での業務用に適した白衣型の空調服も登場しています。

ぜひこちらもチェックしてみてください。
 

AT003

衛生管理をより万全にしつつ、個人ごとの熱中症リスクを格段に下げられる、一石二鳥の空調風神服は、消臭機能もついてますので、夏場の気になる汗の臭いも軽減します。

首回りの丈が長いフードの裾をブルゾンの内側に入れる仕組み、知らないうちに付着していた抜け毛などが落下しないように、「内側体毛落下防止ネット・袖口体毛落下防止ネット」として、ウェアの内側や袖口などに層構造のメッシュネットが据え付けられています。


 

AT005

半袖タイプですので、そのままで着用いただくのはもちろん、高温多湿になりがちな工場作業においては、接触冷感素材のコンプレッションインナーなどをインナーウェアとして着用していただけば、空調風神服の涼しさがさらに増しひんやりと快適に過ごせます。

異物混入などを起こさないことが重要になる工場作業でも安全にお使いいただける空調風神服 AT005です。食品を扱う工場の場合、高温になることも多く作業者の体調管理や負担軽減が大きな課題となります。


 

FX72359

近年、労働環境の改善がうたわれるなか、工場内の過酷な暑さによる熱中症対策も1つの課題として取りあげられます。空調風神服 FX72359はそんなユーザーの希望を元に開発された専門性の高いファン付き作業服になります。

空調風神服 FX72359のファン位置は、エプロン装着時にファンが邪魔にならないように、通常のファン付きウェアより高い位置に設置されています。またファンが脱落することを防ぐために脱落防止ネットも備わっています。


 

FSCC22000は国際的な食品安全マネジメントシステム規格 認証される事でさまざまなメリットが

FSCC22000について解説しました。

FSCC22000は、安全な食品を保証するための国際的な規格であり、HACCCPやISO22000よりも厳しい基準が用いられているため、認証される事でビジネス上のさまざまなメリットが得られます。

食品関係の企業の皆さまは、ぜひ1度ご検討してみてはいかがでしょうか。