作業着は、毎日着用するからこだわりたい

作業着の素材について

作業着は、毎日着用するから素材にはこだわりたい。
作業着は、業務用として毎日のように着用されることの多い衣服です。
一般的な衣服以上に、機動性や、撥水性、軽量性などの機能面が重要視されるため、生地の繊維にもさまざまな素材が使われています。
今回は、作業着の素材について、メジャーな素材の紹介から、今注目を集めている素材、環境別のオススメ素材まで解説します。

作業服に使われている主な素材

作業着は、いわゆる一般的な衣服と同様に、さまざまな素材を使用して作られています。
以下、作業着に使用されている主な素材について説明します。

綿100パーセント

綿100%の素材は天然繊維であるため、肌触りがよく、着用感が気持ちいいことが特徴です。また、難燃性(火気に強い)という特徴もあります。静電気が溜まりにくいという特徴があるため、火気や静電気が発生しやすい現場では特に役立ちます。
水への耐久性が強く、たくさん洗っても劣化しづらいという特徴があります。その代わりに、水分を素早く蒸発させることができないため、汗が乾きづらいというデメリットがあります。また、洗濯後に縮みやすいという特徴も備えています。
何よりも着用時の気持ちよさを重視したい人や、火気を扱う現場で活用する場合には、綿100%がオススメです。
綿100%

ポリエステル100パーセント

ポリエステルとは、天然ガスや石油由来の化学繊維です。衣服に使用されている化学繊維のなかでは代表格ともいえる存在です。
ポリエステル100%の素材は、耐久性が高く、非常に頑丈です。摩耗や引っ掻きにも強いため、業務用のユニフォームや制服などに採用されやすい素材です。
綿素材に比べると軽量であり、動きやすく快適で、活動量の多い業務にはピッタリな素材といえます。
基本的に撥水性が高く、汗が乾きやすいこともメリットです。洗濯後にもシワになりにくく、縮んでしまうこともほとんどありません。動物性の繊維に比べてカビなどの虫害を受けにくいのも嬉しい特徴といえるでしょう。
デメリットとしては、火気に弱いということが挙げられます。火気が生じる可能性の高い現場では火事を誘発する原因となるため、そのような環境での着用はあまり向いていません。また、静電気も起こしやすいため、空気が乾燥しやすい冬季には注意しましょう。
また、洗濯後には、高音の乾燥機にかけると溶けてしまう可能性があるため、なるべく乾燥機にはかけず、自然乾燥させて乾かすことが推奨されます。アイロンがけも高温度では使用しないようにしましょう。
ポリエステル100%

綿・ポリエステル混紡

綿素材とポリエステル素材が混合された素材のことを、一般的に「混紡素材」と呼びます。
異なる繊維を混ぜて織ることにより、それぞれの素材のメリットを生かし、デメリットの部分を補うことができるのです。
多くの衣服においては、ポリエステルが65%、綿が35%の割合で混紡されることが多く、綿の持つ通気性・吸水性というメリットとポリエステルの持つ耐久性・シワへの強さが合わさって、非常に取り回しがよく使いやすい生地となります。
毎日着用・洗濯するような業務ユニフォームや、ワイシャツなどによく採用されています。
綿・ポリエステル混紡素材は、特に大きな弱点もなく、各素材の“良いとこ取り”をした素材といえます。

いま注目を集めている素材とは

化学技術の進化により、さまざまな機能を備えた素材が登場するようになりました。昨今、特に注目を集めている素材について説明します。

ストレッチ素材

昨今、特に人気の高い素材が「ストレッチ素材」です。身体を大きく動かす際にも一緒に伸縮するため、拘束感を感じずにリラックスして作業をおこなうことができます。
「ストレッチ」という名前の素材が実際に存在するわけではなく、生地の伸張性や弾力性が高い素材全般のことを指しています。
ストレッチ素材の原料は、おもにポリウレタンやウール、綿などです。それらの繊維にひねりを加えることにより伸長性や弾力性を高めることができます。また、平織りの生地を斜めに切断することにより、伸縮性を高めるといった加工もおこなわれています。
スポーツウェアはもちろんのこと、昨今では一般的な衣服や、スーツなどにも使用されるようになりました。

抗ウイルス素材

2020年は、世界的な規模でパンデミックの被害が広がった1年でした。コロナウイルスが去った後も、このような感染症は必ず訪れるとされています。
そのような時勢の影響もあり、主に化学繊維メーカーが制作している抗ウイルス素材・抗菌素材が注目されています。
細菌が付着した瞬間に細胞膜を破壊させて死滅させる素材や、ウイルスのタンパク質を破壊させることで吸着を防ぐ素材などが登場しています。
ーパーストレッチ 素材

通気性の高い素材(涼しい素材)

高温多湿の日本においては、通気性の高さも重要な要素です。
通気性の高い素材といえば、リネン(麻)が代表的です。汗をかいても肌に張り付きにくく、また肌触りも良いため、着用時には高い快適さを得ることができます。また綿素材も通気性が高く、夏季の衣料では、よくリネンと混紡されて使われています。
また近年は、身体から出る汗や水蒸気を素早く蒸発させることで涼しさを感じることのできる吸水速乾素材も人気です。
通気性の良い素材

活用環境別・適した素材

作業着を活用する業務環境別に、適した機能や素材を解説していきます。

建設現場・工場現場などでの野外の仕事

建設現場や工事現場には、ハードな作業が付き物です。
資材を運んだり、硬い工具を使用したり、さまざまな物と接触することが多いため、着用する作業着には高い耐久性が求められます。
したがって、耐久性があり、摩耗や引っ掻きに強いポリエステル100%素材を使った作業服が特にオススメです。
建設業の防寒服

倉庫作業・物流作業などの持ち運びのある仕事

多くの物を持ち運ぶ倉庫作業・物流作業の現場では、何よりも装備の軽量性が重要な要素になります。
また、物を運搬したり、配送したりするため、摩耗・引っ掻きに耐えられるような高い耐久性も必要です。
したがって、ポリエステル100%素材を使用した、頑丈で軽量な作業着が適しています。
倉庫業

接客業などの対人仕事

接客業などの、いわゆる対人仕事においては、ストレッチ性の高い素材を使用した作業着がオススメです。
ストレッチ素材は伸長性・弾力性に優れていているため、お客様への応対や説明をする際にも動きやすく、リラックスして臨むことができます。
ホール用ユニフォーム

溶接作業や、火花が飛び散る可能性のある仕事

溶接作業などの、火気の可能性がある環境では、綿100%素材の作業着がベストです。
綿100%は難燃性という特徴を備えているため、火事などの事故・災害を起こす可能性を低減させることができます。
逆にポリエステル100%素材は火に弱く、火事を誘発させてしまう危険性があるため、基本的には向いていません。
綿100%作業着 ALA003シリーズ

1番人気の素材とは?

世の中の作業着には多くの素材が使われています。
そのなかでも、もっとも人気の高い素材は「ストレッチ素材」だといわれています。
やはり作業着は動きやすさが何より肝心ですから、伸縮性に富んだストレッチ性の高いウェアを選ぶ人が多いのかもしれません。
ストレッチ性があり、軽量で耐久性も強ければ、毎日使用するワークウェアとしてはほとんど完璧といえるでしょう。

環境に合った素材の製品を選び、業務の効率化を図ろう

今回は、作業着の生地素材について、主に使われている素材から注目の新素材、活用環境別の適した素材まで解説しました。
作業着には、一般の衣服と同様に、さまざまな素材が使用されており、日々進化を続けています。
素材の特性を理解して、使用する環境に合った作業着を選びましょう。

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